--- 現在の、一般の学校教育というのは、どのようなものなのでしょうか??
私が見る目で、時速2、30キロか、4、50キロかなあ?
20キロくらいかな?底辺は。
できる子で、50キロくらい。
これは、適当な話しだけれどね。
私の長年の経験と勘で言うと、例えば、
ここにある中国(珠心算)の学習スピードを時速1000キロだとすると、
今、私の塾の授業は、100キロくらいかな。
一般の小学校は、50キロ。いってるかどうか・・・
そして、底辺は、2、30キロです。
これが実態です。
そのデータが、二割教育というものです。
日本の教育は、惨憺(さんたん)たるものです。
それは、データもありますし。
何を指して、惨憺たると言うのか。
例えば、これから、中学、高校に行って、なんとかその勉強がわかる。
そういう子は、二割しかいないんです。
--- え?なんとかわかるという子が、二割なんですか??
いや、もっとひどいかもしれない。
小学4年生で二割でしょう。そこから、さらに悪くなるはずだからね。
--- そうですよね、だんだん、下り坂になっていきますよね。
はい、学習内容が、だんだん、高くなっていくからね。
かりに、小学校6年生の学習で、80点程度が取れるようなら、中学に行っても面白い。
それは、小学校の勉強を、ややマスターしていると言う事です。
中学の勉強と言うのは、小学校より、優しいものをやるわけではない。
その上をやるのだから。
だから、厳密に言ったら、高校、大学だったら、一割教育かな?
--- 一割教育ですか・・・
小学生で二割です。
中学、高校に行ったら、一割教育ではないのかな?
小学校4年生で、その先を習えるのは二割なんです。
--- 4年生で、その先の学習もしていける子どもが、二割なんですか?
そうそう。
--- 厳しい話ですねえ。
そこの辺を、みんなお茶を濁したり、いい加減に判断しているんです。
80パーセントが、よろしくなくて、20パーセントがよい。
と、いうのは、周りを見渡しても、世の中には無い。
--- 教育においては、その状態なんですよね・・・
はい。
それに対して、私は、38年前から、怒りを感じているんです。
塾を開いた当時、来る子ども、来る子ども、勉強が出来なかったんです。
はじめは、たまたまそういう子どもが集まったのかな?と、思っていたんです。
しかし、そうではなかったんです。
当時は、合格点をとれる子は三割ほどでした。
--- 当時というと、昭和・・・
昭和、45年頃だね。
その頃は、三割教育という、言葉がありました。
マスコミとか、マスメディアで。私は、しっかりとはわからなかったんです。
今は、わかります。
さて、どこからつまづいていくかというと、
一年生の三学期から、つまづいていくんです。
--- 一年生の三学期と言うと、入学して、半年・・早く来るものなのですか??
その最初のつまづきは、
くり下がりの引き算。12−4です。
ここでまず、10人中8、9人が、 ひっかかってしまうんです。
--- 十中八九ですか・・・
はい。
で、それは、学校の先生でも、親御さんでも、まさかって思ってるんです。
--- でしょうね。
はい。12−4が、なぜできないのかって、
私は、三十数年間、その事を研究してきたんです。
しかし、未だに決定打が出ないんです。
未だに出ない。
生徒達は、色々なプリントで学んでいます。
チョコレートのマスがあって、いちごやみかんなどを並べて、
12から4個。端からいちにいさんしい・・・
未だに決定打が出ないんですね・・・
誰も信じられないんです。まさかその辺がネックだなんて。
--- 僕も、実感がわきませんもの。
今、高齢者の方に向けた、基礎学習帳が話題になっています。
とても売れているようですね。
あれは、脳の活性化に最高です。
--- 年をとられてからも、基礎学習をするという事は、効果があるんですか?
はい、それはもう。
それが一番です。
2年生の勉強。これが最高にいいんです。
例えば計算も、2+3とか1+4とか、繰り上がりの無い段階から始めるのが、
一番良いのだけれども、百マス計算にすると、
たてに1から9、横に1から9そして 0 まで、
10
個ですね。
どうしても、くり上がる6+7が出てきてしまうんです。
--- 最初は、くり上がりやくり下がりの無い方がいいのですか?
もちろん。
初めの2、3か月はそれをやるのがいいでしょう。
それから、くり上がり、くり下がりのあるものに入って。
そのように私は教材を作ってきました。
今、日本には、65才以上の人が、20パーセントいます。2500万人程ですか?
それが、あと5、6年経つと、25パーセントになります。
--- 3000万人程でしょうか?
はい、その方達のために、近いうちに計算の本を出版しようと計画中です。
大抵のそのような学習帳は、1年生から3年生までを、一冊で行うんです。
それは、少し、無理があるんです。
私は、一年生の本が半年ほどかけ、クリアーし、楽しめたら、次は二年生、
上級コースへと行きます。
上級コースになると、暗算で2級程度が出来るようになります。
--- 暗算で2級と言うと・・・
そう、掛け算は2けたかける2けたで、わりざんは4けたわる2けた
--- それを、高齢者の方が出来るようになると。
ともかく、老化防止という事は、体を動かす事。
それだけではだめなんです。頭が弱っていますから。
それに一番いいのが、計算。
やさしい計算が一番いいんです。
音読もいいですね。
私は老化防止のため、毎朝、毎夕、
3、40分イメージトレーニングをしています。
かけ暗算、わり暗算、加減算、分数、電卓、PCキーボード等、
一日に3種目です。
朝晩、車の中でやっています。
教材は、「九々」と車のナンバーだけです。
「品川44 25−33」
25×33=? 44÷25=? 44+25+33=?
そのような練習をして、脳の活性化を目指しています。
脳科学においても、やさしい計算と音読。これが一番いいそうです。
計算は、長年手がけて来たのですが、
音読はまだだったので、これから取り組みます。
小学生においても、音読は、飛躍的に学習効果を高めるようです。
--- 最後に、一言お願いします。
日本中が幸福にならなければ、地方も幸福にならない、個人の幸福もない。
最後は、世界が平和でなければならない。
と、宮沢賢治が言っております。
私は同感です。
平和のもととなるもの、それは、教育だと思っています。
良い教育が世界に広まる事が、世界の平和につながるのでは・・・
そんな事を、私は考えているのです。
今、準備中ですが近いうちに、教育の学力低下に関した著書を出したいと悪戦苦闘中です。
--- たくさんのお話を、ありがとうございました。
|