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板橋な人
いたばし自然観察会 代表 香取孝作さん

板橋の自然保護の重鎮。推移する歴史が、活動歴を物語る。
まだ、自然保護がそれほど叫ばれていない時代から、
活動を重ねてきた、板橋最古の活動団体が現役であります。
会長の香取さんは、御年79歳。
大事に積み重ねてきた歴史を感じる、お話を伺ってまいりました。

香取孝作さん
香取孝作さん


現在、観られているようになっているというのは・・・

自生地の様子---自然保護の世界に入られるきっかけは何だったのでしょうか?
私は、歴史が好きで、赤塚城址の保存について調べていたんですね。
その時に、山下さんと言う方に、
赤塚の区画整理について、運動があるから、
首を突っ込んでみないか?
と、言われたのがきっかけなんです。
もう、20数年前の話ですね。
それで、パトロールなどをしていて、区から補助金が出るようになりました。
会ができた以上は、それを管理する人が必要だったんです。
若い人は、仕事や子育てで暇が無く、私は下赤塚の地で商売をやっていたので、
いいですよ。と、引き受けたんです。それがきっかけですね。

---現在の活動状況は、どのようなものなのでしょう?
現在は、ニリンソウを残す為にはどうするのか?
と言う事を、進めています。
今、都市化がずっと進んでいまして、
僕らが、ニリンソウの観察を始めた頃には、まだ、大宮バイパスも走っていなく、
首都高速も、中台で止まっていたんです。
大門地区の山の環境は、すっかり変わってしまいましたね。
当時、都市計画の計画書を目にした時、
この先、数十年して、ニリンソウが観られるのか?
と言う事には、自信がありませんでした。
それが、現在、観られているようになっているというのは・・・
僕には、感動的な事に受け止められますね!自生するニリンソウ
残った大きな理由としたら、
区の花に認定された事と、何よりも、都立公園の中に、一番大きな自生地が残っていた。
と言う面がとても大きいですね。
あと、僕らが始めた頃は、盗掘が、絶えなかったんです。いつも心配しておりました。
だから、区は、大門の崖線にニリンソウの自生地がある事を、
ずっと、一般には、隠していたんですよ。
一般の方には、植物園の方を紹介していたんですね。


僕達は、何も知らず、ニリンソウを応募したのです。全ては、後から分かった事なんです。
バー

咲き誇るニリンソウ---ニリンソウが区の花になったのは、どういうきっかけからなのでしょう?
20年近く前に、区が、
区の花を募集したのがきっかけですね。
何で、区の花に、 あまり知名度の無いニリンソウがなったのかは、
前区長の栗原さんに聞いてみないと、わからないところなんです。
栗原さんは、教育委員長をやられていて、
板橋区に貴重な野草の自生地があり、
ニリンソウの存在自体は、ご存知だったようですね。
そして、公募が始まったんです。
僕達は、何も知らず、ニリンソウを応募したのです。全ては、後から分かった事なんです。
最初、有力候補は、ヤマブキソウだったんですね。
ヤマブキソウの方が、オレンジ色で、綺麗なんです。
だけれど、昭和28年頃、板橋の崖線でヤマブキソウが咲いていると言う、
新聞記事が出たんですね。
それで、一年したら、盗掘できれいさっぱりなくなってしまったんですけれどもね。
のこされた、ニリンソウが押されて、決まったんですね。

---しかし、25年以上、自然保護が続かれているなんて、素晴らしい事だと思います。
理由は簡単なんです。
自然保護にあたいするほど大門地区の崖線の自然が豊だった。
という事なんです。
木を切ったり、草を取ったりなど、 毎年調査するのですが、毎年新しい発見があるんです。
今まで見た事も無いものが出て来たりですとか。
え?こんなのがいたの?という昆虫がいたの?
というものが、
毎年続々と出てくるんです。そうすると、その調査もしなくてはなりませんよね?
そういう事が、毎年続いています。
最近でも、未だに新しい発見があるんですよ?
あの狭い崖の中で!


ニリンソウを残すかどうか。と言う事より、
バー

---ちなみに、香取様は、板橋にずっと住まわれているのですか?
生まれは豊島区の方なのですが、小学5年生の時から、
現在79歳に至るまで、ずっと板橋で暮らしております。

---板橋の長年の暮らしの中で、印象に残るものなどがありましたら。
僕の世代になると、戦争を体験している事が、大きいですね。
小学校時代は、戦争中の思い出で一杯ですね。
その当時、凸版印刷が、板橋にございますよね?
あそこに、天皇が、行幸されたんですよ。
何で、凸版印刷なのかはわからないのですが、
中山道の所に座り込んでお迎えしたのを、良く覚えていますね。
後は、やっぱり、大門の崖線が、私の板橋の印象の大きな部位を占めていますね。
---今後のいたばし自然観察会の、活動の展望がございましたらお願いします。
ニリンソウを残すかどうか。と言う事より、
ニリンソウが残るかどうか。と言う事が、大きな問題なんです。
崖の林が、20年前に比べると、木が大きくなっているんですね。
それと、20年も経つと、木の世代交代もあるわけなんです。
もし、ニリンソウを今後も続けて観て行きたいとすれば、
崖の林の問題は、避けては通れないんです。
林の木を1本伐採するのに、職人さんの手を借りると、何十万とするんです。ヤマブキソウ
崖の林の木の数を数えてみると、かなりの数になると思います。
場所が、崖なものですから、素人には、とても伐採は難しいんです。
それが、今、一番の大きな悩みであり、課題ですね。

---板橋区民の方に、一言メッセージをお願いします!
ニリンソウの花を観に来て、大切にして下さいね。
と言う事が、一番の願いですね。

---ありがとうございました!

プロフィール

活動を続けて25年
いたばし自然観察会

板橋区で最も古い自然保護団体。

区の花ニリンソウの保護、
タマノカンアオイの保護など、多くの成果をあげて、25年間活動を続けて来ました。
野草の名前を覚えながらの観察会は、
通常は赤塚公園をフィールドとしていますが、都内および周囲の県などでも行っています。

活動を支えるスタッフを募集しています。
観察会の活動、ニリンソウの林の手入れ、
機関紙の編集など、自分で出来ることを通して、活動に参加してください。

【名称】いたばし自然観察会

【代表者】香取孝作

【住所】 
〒175−0092 板橋区赤塚2−9−2
香取方

【TEL】
3930−2263

【FAX】
3930−2263

【会費】
入会金0円 年会費2000円






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