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板橋な人
子守唄研究室 主宰 會本希世子さん

きっかけは、板橋の女性史の聞き取りから。気が付くと、子守唄に魅了されていた。
子守唄。それは、かつての日本で幼い子ども達が、
奉公先の子どもをあやしながら、歌っていた歌。
板橋で、子守唄を研究し続ける、會本さんに、
子守唄の魅力、奥深さを、たっぷりと伺ってまいりました。

會本 希世子さん
會本希世子さん


「子守り」と言う言葉が、


---子守唄を研究される、きっかけとなったものは、何だったのでしょうか?
取材風景以前、私は女性の歴史を研究していたんですね。
特に、板橋の女性達の、 かつての生活の 聞き取り調査などをしていたんです。 その中に、
「うちに子守りが奉公に来ていたんですよ。」
と、私の前にいらっしゃる年配の方が、 お話されたんです。子守りというのは、昔は、子どもの労働の最たるものですよね。
その時は、それで終わったのですが、
どうしても、その年配の方がおっしゃられた「子守り」と言う言葉が、 私の脳裏に焼き付いてしまったんですね。

---ふとした聞き取り調査の中から、きっかけが生まれたんですね。
女性史の世界では、成人女性の労働を題材にした研究は良くあるのですが、
子どもの女性の労働を題材にした研究と言うものが、
あまりなかったんです。
そこで、思い立ち、「子守唄からみる女性の幼児労働」という研究を始めたんです。
そのうちに、段々と私自身が子守唄にはまっていってしまったんですね。(笑)
子守りは、女性の働き方の原点とも言えますし、
子守唄の中には、昔の地域性とか社会情勢が色濃く織り込まれているんです。

子守唄の中から歴史が垣間見えて来る瞬間が、
バー

取材風景---子守唄の魅力とは何でしょう?

子守唄の成り立ちには、2種類あるんです。
代々唄い継がれてきた口承のものと、創作されたもの。作られた唄の中には、歴史的背景を踏まえたものもあります。
「島原の子守唄」などは、
特に色濃く歴史が織り込まれていますね。
ちょっと、情景を説明してみますと、
港から蒸気船が出て行く。
しかし、その蒸気船の陰には、
異国に売られて行く、女性達がいる。
ほとんどの女性は、異国で死んでしまうが、
帰って来た女性もいる。
その女性は、大きな金の指輪を二つもしていて・・・。
ああ、いいなあ。・・・・・・
と、ざっと、歌詞を描写するだけでも、かなりその当時の島原を感じさせますよね!
子守唄の中から歴史が垣間見えて来る瞬間が、
たまらなく面白いですね。

---子守唄の特徴は何でしょうか?
子守唄と言うのは、その名の通り眠らせる唄や遊ばせる為の唄なんです。
他に、また違った意味合いを持つ子守唄もあります。
守り子(もりこ)と言う、口減らしのために子守りに出された子ども達が、
その境遇の辛さや、嘆きなどを唄ったものです。守り子唄といわれています。
その代表格が、「竹田の子守唄」でしようか。


---會本さんが、感じる、 子守唄の魅力とは何でしょう?取材風景
子守唄の中に、人間の「生きた」歴史が、ふんだんに盛り込まれている事に、
大きな魅力を感じますね。
私達が、学校で勉強する歴史と言うのは、
王朝にしろ、幕府にしろ、戦争にしろ、
男性の政治的な観点から、
編纂されたものなのですが、
子守唄の中には、学校の勉強とはまた違った、
かつて、実際に暮らしていた人間の、
生きた感情が、ありのままに保存されている事に、
とても魅力を感じますね!

是非、子守唄の良さを、知って頂きたいんですね。私を呼んで下されば、いつでも飛んでかけつけます!
バー

---今後の、會本様の子守唄の研究活動の、抱負などがありましたらお願いします。
私は、もう、退職した人間で、自由な時間が沢山ありますので、
全国各地を飛び回り、その土地で、その土地の子守唄を聴いてみたいですね!
そこに行けば、そこの地域の空気を感じ取る事が出来、唄が生まれた背景も、
自然と体で納得することが出来ると思うんです。
子守唄って言うのは、今では、生活の中にあまり活用されていませんが、
その中には、色々な生活の知恵が入っているんですよ。
それを、子育てに活かしてほしいな!と、願っています。

---板橋区民の方々へ、子守唄のPRをお願いします!
子育て関係の仕事に従事されている方々には、是非、子守唄の良さを、
知って頂きたいんですね。その為には、私を呼んで下されば、
いつでも飛んでかけつけます!取材風景
実際に、子守唄をCDで聴かれたお母様方から
「とても癒された」と言っていただけました。
お母さんが、優しい気持ちでしたら、
子どもさんも、きっと、
優しいお子さんに成長しますよ。
子育てって、男性が思っている以上に、途方も無く大変で疲れるものなんですよ。
だって、生命を育んでいるのですから!
その大変さの中にも喜びや楽しさがある、
という事を、子育てに関わっている方達に、
伝えられていけたらな、と。
子守唄を聴いてみて下さい。そして、唄って下さい!

---ありがとうございます!

プロフィール
會本希世子さん

【プロフィール】
仕事(社会教育専門職)を通して現代の子育ての実情を知り、育児に関する歴史を調べているうちに子守唄にたどりつく。
日本全国の子守唄を収集し、その背景の分析とジェンダー研究を行っている。
(基本は地域女性史研究)

1985年 婦人問題に関する意見文募集
「西暦2000年に向けての私のメッセージ―男女共同参画社会の形成をめざして―」に応募し、「息子達に明日をたくして」で最優秀賞受賞(主催;総理府・婦人問題担当室)

1989年 「おんな板橋に生きて―生活史―」共著・出版
1995年 第4回世界女性会議NGOフォーラムでワークショップ開催

1997年「子守唄研究室」を開設し「ねんねんこ通信」を発行

1999年 国立婦人教育会館ヌエックで「子守唄とジェンダー」のワークショップを実施
同年度、東京女性財団の助成を受け「子守唄とジェンダー」の研究報告書を作成発表

2001年 国立女性教育会館ヌエックで「子守唄にみる幼児労働」のワークショップを実施

「保育サービスつくしんぼ」会員として、育児支援を行っている。

【連絡先】
〒173-0027 板橋区南町26-14 
子守唄研究室
メールアドレス komoriuta@cside.com

【子守唄研究室ホームページ】
http://komoriuta.cside.com/





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