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板橋な人
多田純也さん
子どもたちが生きやすい社会が、大人も生きやすい社会
保育園や児童館などで上演「だだすこだんだん」、表現あそび「ただじゅんのあそびごっこ」で、体を使った表現・コミュニケーションあそびで関東を中心に活動されている、あそびの達人“ただじゅん”こと「多田純也」さんにお話をうかがってきました。
多田純也さん
多田純也さん


これまでの道のり


○子どものあそびの世界に入られたきっかけや経緯はどのようなものだったんですか?
子どもの頃の話からお聞かせください。

岩手県遠野市で生まれて10歳ぐらいまでいまして、その後は盛岡市で育ちました。今でも親は盛岡にいます。
こどものときは、山をかけ登ったり川でカジカをやすで突いたりしたりして遊んでいました。
6年生まで自主保育の学童保育っ子だったので低学年の子どもともよく遊びました。
本を読むのも好きでしたが、普通の子どもと同じ遊びをしていた普通の子どもでした。

中高生のころはちょうどアニメブームのはしりの頃で、漫画同人誌を発行したりイベントを企画したりしましたが、今考えると、マンガを描くのが好きなんじゃなくて、人が集まってわいわいやってつながることが好きだったような気がします。

盛岡の子ども劇場に入っていたので、子ども向けの芝居を見たりするのが好きで、部活は演劇部に入りました。演劇は、みんなで協力しあって作るものだし、他の高校も「敵」じゃなくて協同する。
身体を動かすし、声もだす。そんなところが好きだったんですね。
高校生の頃は、色々な会報を発行したり新聞を発行したり、部活ばかりしていて、自慢じゃないけど勉強は全然しなかったですね。休みには自転車であちこちテントをもって走り回ったり、好きなことばかりやっていました。

好きな事を仕事にしようと横浜のデザイン会社に就職したのですが、直接人間を相手にする仕事に尽きたいなと思い保育の専門学校に入りなおしました。
横浜にも子ども劇場はあって子どもたちと一緒に劇を見たりキャンプに行ったり遊んだりしていて、
活動する中でちょうど子ども劇場の発展期だったこともあり、まもなく専従事務員として関わるようになりました。

子ども劇場で、色々な劇団の人たちに会ったりしていると、やはり自分でも表現する側に立ちたくなり、5年で子ども劇場の専従をやめて、日本の芸能をやっているところに入りたいと思い板橋にある歌舞団に入りました。それで板橋で暮らすようになりました。岩手は芸能が盛んですし、子どものころから民族歌舞団公演をよく見た事も影響してたと思います。

子ども劇場で、レクリーダーなどの活動もやっていて、遊びで人をつないでいくことに興味があって、歌舞団に入ったら舞台上演の他に一緒にたたいて太鼓で人をつなぐことも出来るわけです。
そういう意味では僕にとって手遊びも和太鼓も一緒なんです。

○その考えかたよく分かります。歌舞団には何年ぐらいらっしゃたのですか?
歌舞団には10年ぐらいいましたが退団。遊びや演劇、子どもにもっと近い活動を勉強したいという気持ちから、子ども劇場でずっと観てきた子どものための劇の専門劇団に入ったんです。

○だんだんといまの仕事に近づいてきていますね。
その劇団には5年ぐらいいたんですが、その間に結婚し子どももできました。
児童青少年劇団ってどこも全国回って年間150日ぐらいの公演をやるんですが、家にいる時間がないんですよ。
かみさんは、子どもと実家に帰って生活しているし、家は荷物を置いているだけなんですよ。
地域に友だちは出来ないし、子どもの保育園の親の顔も分からないしと・・・・、
子どもに関わる仕事をしているのに・・・・、ということには矛盾を感じていたんです。そんな時からだを壊してしまった事もあって劇団をお休みさせてもらい。独立というとかっこいいですが一人で活動を始めるようになりました。それが4年前です。

キーワードは「つながり」


○色々な経験が今の活動につながっているんですね。それでは、いまの活動状況などをお聞かせください。

上演と表現あそびのワークショップが半々です。
上演は一人で和太鼓や和楽器、獅子舞などをはさんでむかしばなしを語る60分ぐらいの舞台で保育園や児童館、老人ホームや子育てイベントなどで上演しています。
対象によって多少内容を変えるのですが、身近な場所で観劇体験をしてもらう活動は大切にしたいと思います。
表現あそびは、演劇的な手法をつかって、子どもたちをつないでいくような遊びの活動です。
おやこでつながって、からだを感じて、体を使ってコミュニケーションをとっていくあそびのプログラムで、小学生などの場合は劇作りにすすんだりします。
子育て支援サークル、児童館、小学校などで参加者みんなが楽しく体験する場を心がけています。
演劇は、身体や声を使ったコミュニケーションなので、演劇をするためで無く、日常に役立つスキルがいっぱいあるし、子どもが自分の身体に興味を持つことも大事だと思っています。
その延長線上で和太鼓で遊ぼうや、リズムあそびなどもやっています。和太鼓も、子どもたちと一緒におはやしをつくって演奏します。
最近は保育士向けや子育て支援者、お母さんなど大人向けの講師なども増えてきました。
子どもから高齢者まで、いろんな年代の方に表現の活動が広がるといいなとおもいます。

その活動の中で物があったほうが表現をしやすいことに気がついたんです。
物がつなげる力を持っている。そういう意味で、コミュニケーションツールとしての「おもちゃ」にも興味があり、おもちゃコンサルタントとして手作りおもちゃやあそびのワークショップもしています。
僕の中では演劇も音楽もおもちゃもみんな、あそびという点でつながってるおんなじなんですね。

遊びは感性の部分なんですよ。
子どもの時には感性の部分で生きることが必要で、そこを刺激するような場に、何か僕がお手伝いできるなら、僕も楽しいし喜んでもらえることをやって行きたいなと思っています。

○多田さんにとって、板橋ってどんな所ですか?
歌舞団の10年は板橋にいて、劇団の5年は外に出ていたので、それから5年ですから、15年ぐらい板橋に住んでいます。人間社会で人と人とがうまくつながっていけばそこが故郷になるんだと板橋で分かりました。つながりの出来る人たちが板橋にはたくさんいるということです。

○今後の夢や活動の展望、抱負などお聞かせください
今は表現あそびのワークショップの活動が中心になっているんですが、
やはり上演作品をきちんとしたかたちにして、見てもらって楽しんでもらうというものをもう少し深めたいと思っています。
ワークショップ等では、先生・先生と言われるのですが、どうも違うかなと思っているんですよ。
あくまでも、基本は実演家、楽しんでもらって何ぼであるという芸人でありたいと思っているんです。
スタンスは「一緒に遊ぶ」。そんな活動をしていきたいですね。
もちろん、ワークショップは参加者する子どもの心と身体、成長に関わる事なのできちんとした内容はつくりたいですが。

いま、お父さんのための子育て講座の講師依頼が増えてきているんですよ。
一緒にやってみると最終的には、お父さんのほうが子どもに帰るんですね。
遊び心は男の人ほうがたくさん持っていると思うんです。
今は、お母さんたちが中心ですが、お父さんの方にまで遊びの活動を広げたいと思っています。
簡単な事なんですが、お父さん自身が、子どもの頃に遊んだあそびで遊んでもらえればいいんです。それでお父さんも子どもになって子どもと一緒にあそべばいいだけなんですけどね。

○最後になりましたが、区民の方に一言ありましたら
自分の子どもにだけでなく、区内の子どもたちみんなに興味を持ってほしいと思っています。
そうすると生活が楽しくなってくると思うんです。子どもたちが生きやすい社会が、大人も生きやすい社会だと思うので、もっと子どもたちに目を向けてほしいと思います。
あと、ぜひ生の劇や音楽に親子であしを運んでください。心の栄養は一生の宝物です。

○ありがとうございました

 



プロフィール

こどもとおとなをあそびでつなぐ
“ただじゅん”こと
多田純也さん


「ただじゅん企画・表現あそびの風光社」
東京都板橋区弥生町29-5
TEL/FAX 03-3554-0563
e-mail tadajunya@nifty.com

○プロフィール
「ただじゅん」(多田純也)
1962年岩手生まれ。
子どもの文化団体事務局長を経て歌舞団舞台演技者、のち児童演劇専門劇団の俳優・制作として舞台活動。その後独立。
現在「ただじゅん企画・劇と表現あそびの風光舎・」主宰。
上演活動と表現活動インストラクターとしてワークショップ活動を保育園・児童館・老人ホームなどを中心に展開中。
2児の父親として、みなみ板橋おやこ劇場運営委員、保育園父母会連会長など地域の子育て運動にも多くかかわる。

芸術教育研究所客員研究員
全国児童青少年演劇協議会運営委員
日本演劇教育連盟会員
芸術教育の会会員
NPO法人日本グッド・トイ委員会理事・講師
おもちゃコンサルタント
日本おもちゃ会議会員
東京おもちゃ美術館設立準備委員
全日本レクリエーションリーダー会議会員
ほか






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