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板橋な人
シミ抜きマイスター 桑原 清次さん
麗になった服を見て、お客さんの喜ぶ顔を見るのが最高なんです。
今まであきらめていた衣類についたシミありませんか?
シミ抜きマイスター桑原さんの究極のシミ抜きと色補正。驚きの連続です。
シミ抜きマイスター 桑原 清次さん
桑原 清次さん


父親の代からクリーニング屋を始めて80年になります。

○クリーニング世界に入られたきっかけからお話下さい。
父親の代からクリーニング屋を始めて80年になります。
板橋で3番目に出来た古い店なんです。
ありがたいことに、父の代から60年も続いているお客さんも数多くいらっしゃいます。

私は、将来何になりたいという希望はなかったんです。
小さい頃から家の手伝いをしていましたし、高校は進学校に行ったのですが進学しないで、父親にお願いして、19歳のときに大阪に修行に行きまして、内勤は家でも覚えられるので外交をやらしてもらいました。
3年間大阪で修行をして、父に呼び戻されてから、ずっと今の店で働いています。

大阪で一番苦労したのは、言葉でしたね。
大阪弁を聞き分けるようになるまで時間がかかりましたね。社長さんが富山の人なんで・・・(笑い)

外交をやっているとき思ったことなんですが、あるとき、お客様からシミの付いた服を預かったのですが、お店に持って帰ってもシミ抜きの出来る職人さんがいないんです。
これでは駄目だと思いましたね。
これからのクリーニングは汚れを落とすのはもちろんですが、シミ抜きもやらないと駄目だなと思ったんです。

東京に戻ってきて、シミ抜きの勉強をするために、35〜6年前になりますが、みけし洗い研精会(会員の殆んどがクリーニング屋さん)という会に入り、シミ抜きの勉強をしたんですが、着物が中心だったんですね。
ところが、当時はもう着物の需要的は少なくなっていて、正月や成人式、冠婚葬祭でしか着物を着ないんですよ。
それに、和服の染み抜きというと、クリーニング屋ではなく、皆さん呉服屋さんに持っていくんですよ。
だから、当時でもう着物のシミ抜きの需要は少なかったんです。

それで、和服だけでなく洋服も絹・木綿・ウールなど和服と同じ素材を使っているのもあるので、洋服のシミ抜きの勉強を私なりにやるようになりました。

洋服の素材は、綿・麻・シルク・ウール・半合成繊維(レーヨン)・ポリエステル・ナイロン・アクリル・アセテート・・・・・・混紡のものが多いのです。
それに新素材もどんどん出てくるんです。
勉強しないと追いつかないんです。この年になって今でも勉強の連続です。

麗になった服を見て、お客さんの喜ぶ顔を見るのが最高なんです。


○シミの種類や素材によってシミ抜きの方法は違うのですか?

油性処理で落ちるもの、水性処理で落ちるもの、酵素処理で落ちるもの・・・・・色々です。
順番にやっていって落ちるものもあります。
順番を間違うと全く落ちない場合もあります。
ドライクリーニングに出してシミが落ちていなかったりする場合でも、水性処理だけで簡単に落ちる場合もあります。

シミの種類と衣類素材によって、処理の方法が変ってきます。
これを見極めるのが大変な作業なんです。
それには経験が大切です。

○シミ抜きのほかに黄ばみや色の復元加工もされているようですが?
お店はシミ抜きの看板を掲げてやっているのですが、シミ抜きではなく、染めてくれと言うお客さんもいらっしゃるんです。
「色あせたから染め直してもらえない」、「派手だから地味な色にしてくれない」等の注文も来るんですよ。
お客様に出来ないともいえないので、色かけや復元加工も行うようになりました。
素材によって色の出方等も違うので、試行錯誤で今でも勉強しています。(京技術会)

どうしてそこまでする様になったかと言えば、クリーニングやシミ抜きをして、綺麗になった服を見て、お客さんの喜ぶ顔を見るのが最高なんです。
お客様の喜ぶ顔を見ると本当に嬉しいですね。
職人冥利に尽きますね。

30年前に娘さんが着たドレスのシミをおとして下さい。と言われたときなんかは出来るかなと思ったんですが、落ちましたね〜。
嬉しかったですね。それよりもお客様の喜んでいる顔がいいんです。
お孫さんに着せてあげたいと、30年ぐらい前の七五三の着物を持って来た方がいらっしゃったのですが、シミ抜きをしたところの柄が消えているんです。
これは書くしかないと言う事で、他のところの柄を写し取って自分で書いたりもしました。
何とかうまくいきましたね。

お客様の喜ぶ顔が励みになっているのは事実です。
それが無いとここまでやっていないと思います。

あきらめる前に、専門家に相談して下さい。 きっと、お役に立てると思います。


○最近クリーニングのトラブルが多くなっていると聞きますが、どのようにお考えですか。

油性のシミはドライクリーニング、水性のシミは水洗い、それでも落ちないのがシミ抜きなんですよ。
お客様が、お店に「他のお店で落ちなかったんですけど」と言って持ってこられるのですが、水洗いで落ちる場合もあるんです。
チェーン店の取次ぎのクリーニング屋さんでは、システム的に細かいところまで対応できないんですね。
色落ちや変色などのクリーニングのトラブルも増えているのが現状です。
それは素材にも原因があるのですが、染料や加工技術の変化にクリーニング業界が対応できていないのが現状だと思います。
取次店の窓口では対応できない事が多くなってきているので、クリーニング業界も勉強をしないといけません。

業界で、きちんとしたマニュアルなどを作成して対応する必要があると思っています。

我々は、出来る範囲でお客様の要望にお答えしないといけないのですが、お客様に、「もう古いので生地が弱ってますよ」「これだと他の色も落ちますよ」など、一言アドバイスできるようにならないといけません。
そうする事がトラブル防止につながり、お客様の信用を得る一番の方法なんです。
一人一人のお客様を大切にすると言う事に繋がるのです。

○これからの夢や目標などありましたらお聞かせ下さい。
今のクリーニング屋さんは跡継ぎがいない、取次店の台頭とかの理由で辞めていく店が多いのですが、うちの場合子どもが一緒にやってくれているのでありがたいです。
子どもたちに後を継いでやっていってもらえると嬉しいですね。
もちろんシミ抜きの技術も覚えてほしいと思っています。
そして多くのお客様の笑顔を見たいと思っています。

○最後に区民の方に一言
洋服ダンスや押入れに仕舞いこんで、シミになった衣服などありませんか?
思い出が詰まった大切な衣服や高価なものもあると思います。
あきらめていませんか?
あきらめる前に、専門家に相談して下さい。
きっと、お役に立てると思います。
それが、物を大切にする事にも繋がってきます。

○ありがとうございました。


プロフィール

清光舎クリーニング
 

【住所】
〒174-0052 板橋区蓮沼町9-5
  
【電話】
03-6780-4800

【営業時間】
8:00〜20:00

【定休日】
日曜日

【URL】
http://cleaning-seikousha.com

【地図】






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