--お店を構えるまでの経緯を簡単に教えていただけますか？
ホテル、三鷹のふぐ屋をはじめ割烹、和食屋で１３年の修行を経て板橋に店を構えたのは３年まえです。ちょうど気持や条件などいろんなタイミングが重なった時期だったんです。いろいろ場所を検討した結果、多少土地勘のあった板橋になりました。また、いろいろ調べたところ、僕がターゲットにしたかった自分と同じ世代（２０代後半から３０代）の人が板橋に多かったというのも、ここに決めた理由のひとです。
実際、板橋に決めてよかったです。いいお客さんが多いですね。

--ふぐ割烹ということで、高級な感じがしてしまいますが、実際はそうでもありませんよね。
店を出す時、ふぐ屋をうたうかどうかすごく迷ったのですが、やはりふぐをリーズナブルな価格で出して、若い世代の方にも食べてもらいたいという想いがあったんです。ふぐではあまり利益はでませんが、いろいろな方の協力を得て今の値段でやっています。
ふぐの美味しさをいろんな方に知って頂きたいですね。

--お客様の層はどのような感じでしょうか？
はじめはやはりご年配の方が多かったですね。でもしばらくするうちに、若い人も増えてきて、今は半々といったところでしょうか。気に入ってくれてリピーターになってくれる方も多くいらっしゃいます。
女性のお客さまの割合いの方が多いですね。

--お店の造り・お酒や食器などこだわりが随所にみられますが、このあたりの想いを教えてください。
お店のつくりは、三鷹の親方のお店を参考にさせていただきました。
カウンターの幅はゆっくり食事をしていただけるように、広くとってあります。
お酒は有名な銘柄はおかないというのが基本です。あまり知られてなくても、きちんとした造りでおいしいお酒がたくさんあります。
そういうものを酒屋さんと相談して、かなり吟味して選びました。
そして、おいしく提供できるようにたくさんの種類は置かないようにしています。
焼酎も最近は人気がありますので、だんだん種類も増えてきました。
なるべく料理にあうもの、あと自分の好きなタイプをチョイスしています。
器は、望月明日太さんという方の作品を多く使用しています。縁あって知り合った作家さんなのですが、窯へ遊びにいったり、オリジナルの器をつくってもらったりしてるんですよ。
なにげない料理でも、いい器で食べていただいて食事そのものを楽しんでいただきたいです。

--料理に関してのこだわりは？
あたりまえの事をあたりまえのようにして料理を出すというのが、うちのポリシーです。外観や内装が凄くきれいだったりしても、料理の基本がしかっりしてないと残念ですよね。つくる側が納得して、お客様に『どうぞ』と出せる料理だけを出すように心がけています。
また、お客様の好みに合わせて、味付けを多少変えることもありますね。
季節の食材、地方のめずらしい食材なども取り入れるようにしています。

--今後の夢・目標などありましたら、教えていただけますか？
このお店からも若い子を育ててどんどん送り出していけたらいい、と思っています。
親方の元でふぐ免許を取ったのが僕で１０人目だったんです。
お店を大きくしたいとかいう望みはあまりなくて、この店からも何人かふぐ職人が育ってくれたら人生幸せだなあ、と思っています。