---まず、スタジオをやり始めた動機と言うものは何だったのでしょうか?
主人が、ジャズのウッドベース奏者をやっていまして、
いずれ、スタジオをやりたいなあ。と、話していたんです。
26年前、最初、3室のスタジオから始めました。
当時、音楽スタジオは都内には何軒もなかったんです。
---そのスタジオを、大山に構えられたきっかけというのは何だったのでしょうか?
特に、大山で探していたわけではなく、色々なところで探していました。
本当にあきらめかけていた時に、不動産屋から電話があり、
こちらの全ての条件を満たす物件が、大山にありました。
大山に何があるかというのは、全く知りませんでした。
区役所があったり、官庁所在地だと言う事も。
ただ、駅から近くて、人の集まりや流れがある事が重要だったんです。
本当に、ご縁ですね。
もともとは、小さいスタジオだったのですが、
広げたいと思った時に、真隣の人が、物件を売ろうとしていて、いりませんか?と。
全てが、タイミングが良く、これは偶然ではないな。という感じですね。
現在は、スタジオ6室と、ミーティングが出来るロビーがあります。
---スタジオの雰囲気で、意図されている事はあるのでしょうか?
コンセプトは、お客さんにリラックスして練習してもらう事ですね。
開店当時から、コーヒーをたてて、無料でサービスをしています。
一番最初に広告を書いた時は、雑誌から、板橋で音楽をしている人を、
リストアップして、ハガキで出したのですが、
その時のキャッチコピーが、「コーヒーでも飲みながら、練習しませんか?」
というもので、そのコンセプトは、今でも生き続けていますね。
あとは、紅茶・ココア・麦茶・味噌汁等、
適当に飲んでっ。食べてっ。という感じですけれどもね。(笑)
気楽で、ここに来たらほっとする。と、皆さんが思える様、まだまだ努力して行きますヨ〜!
うちのような野暮ったいスタジオより、
池袋に、かっこいいスタジオは沢山あるんです。
それでも、うちに来て下さっているお客様達に感謝感謝です。
---DABOさんには、どのような方が来られるのでしょう?
それは、圧倒的にロックバンドが多いですね。
後は、月に一回だけですけど、地下のガラパゴススタジオで、
ジャズセッションをやっています。ジャズミュージシャンを目指している方、趣味でやっている方達が来て下さり、仲間作りをしていってます。
---ここから、どんなミュージシャンが巣立って行ったのでしょうか?
今、ブレイクしている、「サンボマスター」は、よく来ていましたよ。
「ハワイアン6」のメンバーの方も来てくれています。
あとは、チャラですね。
チャラはもう、うち出身のミュージシャンですね。
14、5歳の頃から、うちに通っていて、
うちの常連さんとバンドを組んだら、チャラだけスカウトされたんですよね。(笑)
17歳の頃かな??
彼女、板橋出身なんですよ。すんごい可愛くてね。一人、飛び抜けていました。
「サンボマスター」の方は、東洋大学出身だから、大学のサークルも合わせて、
6、7年は、うちに通ってくれたのかな??
---ミュージシャン達と携わる中での、難しい事や、楽しい事などはありますか?
基本的には、自由にやって下さい。という雰囲気ですが、
「どうしたらいいだろう」とか「誰かいない?」ですとか、
バンドメンバーの相談にはよくのっていますね。基本的におせっかいな性格なもんで。(笑)
こっちに誰かいない。だったら、こっちに解散したメンバーがいる。と、
私はバンドメンバーと良く話をしてますので、
あ、これは合うかな?この人には合わないかな?と、紹介したりしていますね。
それと、若い人達のエキスをいっぱい頂きながら毎日仕事が出来るなんて、
老化現象がどんどん進んでいる私としては、最高の栄養補給になっていますね!(笑)ホントしあわせですヨ!!
---スタジオに来てくれた人からは、どんな反応がありますか?
インターネットが普及してから、
え!?こんなところに、スタジオがあったの?と、板橋近辺の人が、
たくさん訪ねて来てくれるんです。
板橋には、びっくりするぐらい、すごい数の音楽をやっている人が、住んでいるんですね。
そう言う方達が、随分来て下さるようになりました。
板橋に引っ越して来る人には、部屋も紹介しているんです。
引越して来た子が、「おばちゃんお腹が痛いんだけれど、病院紹介して。」なんていうのは、
しょっ中で、ここまで、薬を飲みに来たりですとか、
一事がそんな調子ですね。(笑)
---今後の目標などがありましたらお願いします。
それはありますね!
仕事の合間を縫ってお客さんのライブを良く観に行ってますが、その出演料が高いの何のって。たった25分位の演奏時間で、ライブハウスによって多少違いますが、4,5万は、
かかるんです。月に何度か、ライブをやっているバンドなんか、ひーひー言ってますヨ・・・
うちでも、ガラパゴスライブやコピーバンド祭り等々、
これからのミュージシャンを育てる意味からも、破格値でやらせて頂いています。
箱は、5,60人しか入りませんが、100回の練習より、1回のライブといいますからね!最近は、新しいアンプやスピーカーも入荷して、絶対満足して頂ける、ライブスペースを目指しています。
とにかく、これだけ若いミュージシャンが頑張っているのをみていると、
ただ、スタジオを貸すだけじゃね〜・・・
やはり、何らかの形で応援したいんですよね。
売れるには、実力だけではなく、運とか、時代背景や、
色々なものが重なって売れるわけですから、
売ろうと思って、売れるものでもないんですね。
だけれど、チャンスだけは、きっかけだけは、作ってあげたいんです。
---最後に、板橋に住むミュージシャン達に、一言お願いします!
DABOスタジオから、素晴らしいプロのミュージシャンを出したいですね〜!!
---ありがとうございます!
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