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板橋な店
呉服や光永
高島平の“平”と和服の“和”で“平和” きものの魅力を伝え続ける呉服やさん
高島平に店を構えて23年。地元に根ざし、本音で語る呉服屋さんです。
きものというとちょっと敷居が高いと思ってしまいますが、
その魅力を店長の三井真さんにお伺いしました。
上野茂さん
店長の三井真さん


  普通の人が、普通に買えて、普通に“きもの”を着れる。そんな店がいいんじゃないでしょうか。
バー

○この地にお店を開いて何年ぐらい経ちますか?
1985年からスタートして23年目になります。
もともと赤塚が本拠なんですが、路面店を持っていなかったんです。
婦人会などの外販専門でやっていました。

ちょうど1980年頃から女性の在宅率が下がってきて、
多くの女性が益々働く傾向になるだろう、
婦人会などで販売を行っていても人が集まらないだろう。
日中人がいないなら商売にならないだろうという先代(私の父)の読みもありました。

そのころ、高島平団地が出来てちょうど10年目ぐらいの頃で、非常ににぎやかで活気があった時期なんです。赤塚の方から眺めると湯気が立つくらいホットな街に映っていました。
沢山の人が日本中から集まっていて、何のしがらみもなく誰もが主役になれそうな可能性を秘めた魅力的な街に見えたんです。
高島平に店を出したくて機をうかがっていました。高島平でいくつか出店の候補地があったのですが、たまたまここがあり、ちょっと寂しいところでしたが、西台駅から近く“きもの”という商品の性質上、落ち着いて商いが出来そうなので、この場所に店を出すことにしました。
開店当初から全権を任せるからと先代にいわれ、責任者として店を運営することになりました。20代後半の頃ですね。

○光永さんの店の特徴はどんなところですか?
普通の人が、普通に買えて、普通に“きもの”を着れる。
そんな店がいいんじゃないでしょうか。
ここから三田線に30分も乗れば、銀座に出られるわけです。銀座には日本を代表する一流の店が沢山あるわけですよ。
高島平のお客さまは、そちらとの比較ということも出来るんです。
暖簾というものに決定的な違いが有るので、老舗と同じ土俵に上がることはできませんが、
こちらはこちらで、光永のコンセプトに叶った商品を自信を持ってお出しいたします。

お客様と、きたんのない相談をさせていただき極力ご要望に沿えるよう、
また本音が通じるような呉服屋でありたいと考えています。

奥が深くて、やってもやっても到達できない感じです。まだまだ分からない事だらけです。
バー

○客層はやはり年配の方が多いと思うのですが、どうですか?

年配の方が多いのですが、最近は若い方も見えられます。
お母さんに連れられてくる方も目立ちます。

着付けの練習を始めたのでとか、お茶会に誘われて着物を着たくなったなど、
何かのきっかけで若い方たちも“きもの”に目覚めるときがあるようです。
“きもの”はお母さんが買ってあげ、帯は娘さんが買うとか、
お母さんが着たものを直すとかいうお客様も結構多くいらっしゃいます。

いつも感心するのですが、お客様は老若男女、皆さんセンスがいいですよ。
Tシャツにジーパン姿で来られて、大丈夫かな〜?と思っていると、
選ぶときは自分に似合うものをちゃんと選んでいます。
ですから、店ではお客様が着て見たいと思うものを半歩下がってみるとともに、半歩リードしてお勧めいたします。決して、無理強いはしません。

“きもの”は、素材が絹(綿の素材もありますが)ですので、何ともいえない柔らかい雰囲気、見るだけで温かい気持ちにさせてくれます。
“きもの”自体は、非常にシンプルなフォルムで、反物にまっすぐ7回はさみを入れるだけで仕立ての準備が出来ます。
二部式にしたらとか、マジックテープで着付けを簡略化してはとか、ずいぶん前から改良型のキモノが出ては消えていますが、今のカタチ以上のものはどうもないようです。究極の完成形が、今の“きもの”といえます。

○7回はさみを入れるだけでいいんですか。驚きです。
ほかに店の特徴などありましたら?

キモノのことなら、初心者からヘビーユーザーまでうちに相談していただければ出来うる限り、お応えしたいと思っています。
あらゆる手を使ってお応えできる店にしたいと思っています。

以前、寿命の尽きたような草履を持ってこられたお客様がいらっしゃって、思い出がある草履なのでどうしても直したいとおっしゃるのです。
買った方が安いのですが、どうしても直して使いたいとおっしゃるので、
呉服屋からすると本筋じゃないのですが、直してさしあげました。
お客様は「こんなに綺麗になるなんて」といって、大変喜んでくださいました。

以前でしたら草履の修理は履物屋さんだったのが、いまでは履物屋さん自体がないんです。多分板橋区内にはないのでは?
そのようなお客様が頼るのは呉服屋とういことなのでしょうね。

先日も、おばあちゃまの“きもの”を着たいという方がいらっしゃったのですが、お孫さんの背が15cm以上高いので、普通では無理なんですが、足し布をする方法で着れる様に仕立てました。
このようなリメイクも喜ばれています。

和装小物も含めて、私自身まだ知らないことがあり、お客様に教えていただくことも結構有ります。
“きもの”の勉強はきりがないと痛感します。
奥が深くて、やってもやっても到達できない感じです。まだまだ分からない事だらけです。

もっともっと板橋が“きもの”の似合う街になるよう微力ながら貢献していきたいと思います。
バー

○これからの目標や夢などありましたらお聞かせください。

店をやってて思うことは、店を毎日開けているということは貴重なことだな〜と思います。
商品を買いに来る方はもちろんですが、
常連さんみたいになってくると、用事がないのについ寄ってみたといって20〜30分他愛のない話をされるんです。そんな話の中からその方のご家族のことやバックボーン、街のようすが見えて来ます。街の匂いまで伝わってきます。

関連しますけれど、うちが扱わない商品。たとえば布団や洋服の直しなどの問い合わせには該当する先を紹介しています。
光永が街のポータルサイトのような、頼りにされる店になりたいと思っています。
そうすれば存在価値がより高まるのでは、と思います。

開店当初からのお客様、外販時代からのお客様はもちろんですが、
ぜんぜん違うところから引っ越してきた方が偶然見えられて、「以前お宅で買いましたよ。」
なんていう話を聞くと、人と人との繋がりは疎かに出来ないと感じます。
一人一人のお客さまを大事にしていきたいですね。

○高島平きものしんぶんという新聞を発行しているとお聞きしましたが?
開店当初から発行しています。112号になります。
最初は年5回でしたが、いまは年4回発行です。
毎回27000部発行しています。新聞折込みで配っています。
街の素顔が見えるメディアというイメージで作っています。

“きもの”のことはもちろんですが、円滑なコミュニティ形成のお役に立てればということで始めました。今では、きものしんぶんを心待ちにしてくれている読者の方がたくさんいらっしゃいます。うれしいですね!

「高島平和っ!We love Kimono We love Peace」が
昨年からのキャッチフレーズです。
なんとなく世の中がきな臭くなってきていて、“きもの”は平穏でなければ着られません。
高島平の“平”と和服の“和”で“平和”となります。
“きもの”のこと、コミュニティのことはもちろん、板橋区平和都市宣言を掲げる街のメディアとして、平和についても引き続き発信していきます。

○最後にいたばし区民の方に一言お願いします。
“きもの”は手間がかかります。着る前も着る時も着た後も・・・、面倒くさい塊みたいなものです。
ですが、着た姿は、背筋が伸び、姿勢も良くなり、気持ちも凛として、しゃきっとなります。
本人もいいし、周りの人も素敵だなと思って見てくれるでしょう。

効率優先の現代に、あえて逆行する非効率的なものではあるのですが、みんなで着ていけたらと思っています。和のスローライフを楽しんでいただければと願っています。
街の呉服屋として、半衿付けからサポートしています。

少しゆとりを持って生活のアクセントとして、また冠婚葬祭の節目に“きもの”を着てもらえたらいいなと思います。
それと、もっともっと板橋が“きもの”の似合う街になるよう微力ながら貢献していきたいと思います。

○ありがとうございました



呉服や光永

「呉服や光永」

【住所】
東京都板橋区高島平1-52-12

【電話/FAX】
03-3550-0529

【営業時間】
10:00〜19:30

【定休日】
毎週火曜日

【アクセス】
都営三田線「西台」駅東口徒歩5分

【URL】
http://web-kouei.com/

【マップ】





       


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