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板橋な店
服飾雑貨・手芸用品の店「川越屋」

馴染みのお客さんは、あそこに行けば、自分のほしい物が手に入ると知っているんですね。


先月、手芸用品を販売していたキンカ堂が倒産しました。池袋のキンカ堂まで手芸用品を買いに行っていた方は、これから何処に買いに行けばいいの?などと心配されている方もおおいのではないでしょうか。
ハッピーロード大山商店街の入口にあるダルマ市場の中に、服飾雑貨や手芸用品が所狭しと並んでいるお店「川越屋」さんがあります。店長の川越博さんにお話をお伺いしました。

川越博さん
川越博さん

ボタンの種類は1万以上ありますよ。

○ 歴史の古いお店だとお聞きしましたが、いつごろからお店をやられているのですか?
昭和4年に、今の店の隣に布団屋として店が出来ました。川越屋という屋号は苗字が川越とういことと、旧川越街道にあったので、川越屋としたそうです。
昔は、手芸用品専門の店は少なかったんですよ。寝具店などが一緒に売っていたんですね。
昭和12年に今のダルマ市場が出来たのですが、昭和30年1月1日に火事で焼けて、35年に再建されました、そのときに布団屋から店を独立させてこの場所に入ったんです。
ですから、もう50年になります。
私が父の店から独立したのは昭和45年の頃です。

独立するにあたって、商売を軌道に乗せないといけないので、大阪までダイエーを見に行ったり、色々と勉強しました。ダイエーが大山に進出してきたらどうなってしまうんだろうか?多分商売は駄目になってしまうのかな?などと考えながらお店をいかに経営していけばいいのかを考えていました。
今、駅の広告はパチンコ屋と病院の広告が主ですが、駅の広告や東上線の電車の中刷り広告を出したりもしました。個人商店が広告を出す時代ではなかったですし、うちのようなちっぽけな店がそのような広告をだしたので、廻りからは驚きの目で見られていました。
銭湯にも広告を出したりしたんですよ。
当時は、既製品が少なかったし、皆さん自分で服を作っていましたので、広告の効果かどうかは分かりませんがもの凄いお客様でした。
お店を開ける前からお客さんが並んで待っていましたし、この狭い店内がお客様で溢れ返っていました。
従業員(売り場の店員)も4人ほどいたんです。
その店員さんも、洋裁などをきちんと勉強した人ばかりでした。
この商売は、専門的な幅広い知識が必要なのでそういう人でないと務まらなかったんです。

○ボタンや糸の種類がもの凄い数ですが、店の特徴はどのようなところですか?
ボタンの種類は1万以上ありますよ。
服のボタンは、袖や襟などで大きさが違うので、数種類のボタンを使います。ですから必然的に多くなってしまいます。
糸の種類も200種類以上はあります。
引き出しやケースの中に、色の順に整理して並べています。
長年やってきていますので、年輪みたいなものです。

○これだけの種類があると、どこに何があるか分からないんじゃないですか?
この商売を専門にしているので、大体の場所は覚えています。そうしないとお客様の応対が出来ませんしね。お客さんの要望に答えられないといけないので、中途半端な知識では、駄目ですしね。ですから、店をやって行くのは大変なんです。
本当に中途半端じゃ出来ない商売ですよ。

使い捨ての時代と言われていますが、そうでもないんですよ。

○ 客層はいかがですか?
色々なお客様がいらっしゃいます。
服飾を専門としている方、既製品では嫌なお客さん、古い物を手を加えてリフォームして使うお客さんも大勢いらっしゃいます。
年配の方が多いのは事実ですし、物を大切にする方が多いですよね。物を大切にする方は、ボタンが取れたら、それに合うボタンを探しに見えられます。
若い方も結構いらっしゃるんですよ。自分のお気に入りやいい物は大切に使っているようで、ボタンや糸などを買いに来られますよ。自分のお気に入りは、大切にしているんです。
使い捨ての時代と言われていますが、そうでもないんですよ。
最近は不景気なせいか、いいものを長く、手入れをしながら使う方が増えているような気がします。

○ お客様の反応はいかがですか?
馴染みのお客さんは、あそこに行けば、自分のほしい物が手に入ると知っているんですね。
初めて来られた方は、商品が溢れかえるほど種類の多いことに驚きますね。
説明なども出来る限りの対応はしますので、喜ばれていると思いますよ。

全てのお客様の要望に答えて、仕入れをやっていければいいのですが、お客様はボタン1つでも、仕入れはロット単位で仕入れないといけないので、残った商品がデッドストックになってしまいます。そういう仕入れの仕方をして潰れたお店も数多く知っていますし、残念ながら全てのお客様の要望に答えるのは無理ですね。

○これからの夢や目標などありましたらおきませ下さい。 
同業者でも毎年店を閉めるという話を聞きますし、手芸用品だけでの商売は無理な時代になって来ています。
この地域も再開発などありますし、大きく変わっていこうとしています。
私もこの商売が天職だと思ってやっていますし、自宅が近いので、自宅を店舗に改装して、もっと商品を充実させて、お客様に提供することもいいのかなと思ったりしています。

それと、私は大山で生まれて大山で育ったのですが、商店街で衣料品(特に男性用下着)が、買えないんです。明日から旅行に行くというのに、シャツが欲しくても売っていない。
タオルもそうです、100円ショップで安いものは買えますが、ちょっとしたタオルは売っていないんですよ。商店街に日常生活に必要なものが揃わないのは寂しいですよね。
最低でも、日常生活に必要な身の回りのものが揃う商店街であってほしいと思っています。

○ありがとうございました。




川越屋

【住所】
板橋区大山町5-8 ダルマストア内

【TEL】
03- 3973-4360

【休日】
火曜日

【営業時間】
10:30〜20:00

【アクセス】
東武東上線「大山駅」南口徒歩1分

【URL】
http://www.haro.or.jp/shop/?id=168


 








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