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HOME >> バックナンバー >> 特集 板橋区放射線量の測定開始から2カ月
いたばし観光ボランティア「もてなしたい」

板橋区が放射線測定を始めてから、2か月余りが経過しました。
その測定結果はどうだったのでしょうか?
町の八百屋さんと焼肉屋さんにも影響を聞いてみました。

放射線量測定内容について板橋区環境保全課に聞いてみました。

○放射線測量を実施することになったのは、やはり区民の方からの不安の声が多かったからですか?

そうですね。原発事故が深刻化するに従って声は増えていましたが、決定的なのは、新河岸水再生センターで汚泥の焼却灰から高濃度の放射性物質が検出されたとの報道があってからからですね。
健康に関係することですし、小さなお子さんのいる方はなおさらです。
それをふまえて、区民の方に少しでも安心して頂くために、区独自で放射線量の測定をすることにしました。
ホームページにも結果を掲載していますが、6月21日から7月15日ぐらいにかけて、区内の小・中学校、幼稚園、保育園、公園等を計測しました。
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_kurashi/036/036980.html


基本的には、

校庭(園底)、
プールサイド(高さ10cm)、
砂場等

です。
0.06μSv /時〜0.26μSv/時という計測結果が出ました。(μSv=マイクロシーベルト)
区役所玄関前では、職員が毎日測定していますが、だいたい0.09μSv/時〜0.12μSv/時で推移しています。
この数値が高いか?低いか?と言われると、前例のないことなので何とも言えないのですが、都や専門機関等の説明では、『健康に影響を与える放射線量は測定されておりません。』と言うことになろうかと思います。

※ちなみに、原発事故が起きる前の数値はどうだったのかというと、
東京都健康安全研究センターで平常時(原発事故以前)に観測されていた測定値は、
1時間あたり0.028〜0.079マイクロシーベルト(平均値は概ね、0.035マイクロシーベルト/時)です。
東京都健康安全研究センターの環境放射線測定結果のページ
http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/index.html

それでは、この測定値をどう判断すればいいのでしょうか?調べてみました。
国際放射線防護委員会によれば、平常時における管理できる範囲での、一般人の年間積算線量を1mSv/y(=1,000μSv/y)以下としています。

板橋区(区役所玄関前)の数値で計算すると、下記のようになります。
(0.12-0.05)×(16×0.4+8×1)×365=367.92μSv/y

年間積算線量の40%弱です。この数値からすると問題ない数値です。

※(測定結果 −自然放射線量)×(16時間×0.4+8時間×1)×365日
計算条件
・自然放射線量は全国平均で0.05μSv/時間
・屋外に8時間、木造家屋内に16時間いると仮定
・木造家屋内滞在(16時間)における低減効果(係数0.4)

○他の自治体では、多くの計測定地点を設けて、毎月測定している所もあるようですが、板橋区の今後の対応はいかがですか?

現在、都や区役所の玄関前での測定では安定した数値で推移していますので、現在のところ再度全施設を測定するということは考えていません。
ただ、各部署から測定器を使いたいとの要望が多くありますので、部署単位では測定しております。
それは、速やかに公表するようにしております。

○放射線は目に見えないから余計に不安ですよね。

板橋区には、赤塚・徳丸・成増地区に農地が多く有り、そこで採れた野菜は、地産地消や食育などで学校給食などに使われていますが、区独自では農産物に対する測定はしないのですか?

区では今のところ検討されていませんが、東京都が測定をしています。測定結果は今のところ全てで不検出および基準値以内に収まっています。
詳しい測定結果等は、東京都防災ホームページに随時UPされていますので、そちらを参考にしてください。

http://www.bousai.metro.tokyo.jp/datasheet/d-shelter/taiheiyooki_h22.html

区独自の調査については、東京都の今後の検査結果を踏まえつつ、実施を検討していきます。

 

飲食物からの内部被ばくを心配する声があります、特に野菜などはそうですね。

1)町の八百屋さんに聞いてみました。

毎日口にする食べ物の件ですから、特に小さなお子さんがいる家庭では心配ですよね。
うちの野菜も市場から仕入れているので一応大丈夫だと思いますよ。
事故があった最初のころは、「どこの産地?」「大丈夫?」などと言うお客さんもいましたが、今ではそのような声も少なくなってきました。
店で測れればいいのでしょうが、うちみたいな町の八百屋には無理ですよね。
産地を書いていますし、殆どのお客さんはうちを信じて買ってくれています。
産地が気になる方は、西日本産の物を買う方もいらっしゃいます。
そういう意味では、仕入れも被災地以外の西日本産の物などを増やしているかな?
売り上げ的には、最初は減りましたが、今はもとに戻っています。

2)焼肉屋さんに聞いてみました。

被爆した肉牛が出回ったころから、お客様が大幅に減りましたね。
うちの肉は、開店当初から九州の肉を使っているので問題は無いのですが、心理的に受け付けないのか?どうしようもないですね。
いつまで続くんですかね?とにかく早く終息してほしいですね。

東京都の放射線量が安定している件について、都の相談窓口に電話して聞いてみました。

○新宿区のモニタリングポストでの測定値では、安定した測定値が出ていますが、福島第一原発からの放射性物質の流出量が減って、東京まで流れて来ていないということですか?

東電や政府からの発表がないので、流れて来ていないとは言えないですが、少なくとも量は大幅に減少していると思います。
風向きなどで測定値に変化があると思いますが、現段階では低い値で安定した数値がでております。

○事故当初に降ってきた放射線物質が、色々な所に付着・沈着して、それから放射線が出ている。
その数値が現在の数値だと考えていいのでしょうか?

だいたいそういう考えで良いと思います。
雨などで、付着していた放射線物質が下水に流れて行くのですが、下水最終処理場の焼却灰の数値が高いのはそのためです。
特に放射線物質は土壌に吸着しやすい性質を持っていますので、雨だけでは全てを除染できないですね。
放射性セシウム137は半減期が30年ですから、福島県の汚染濃度の高い地域では土壌の入れ替えが行われているのはそのためです。

原発事故による放射能汚染に関する都民向け臨時相談窓口
03-5320-4657  平日9時〜18時

 

放射性物質は目に見えないだけに、健康被害への不安は大きくなりやすいですし、市民の安全・安心が大きく揺らいでいます。
板橋区や都、各省庁で測定結果を公表しています。それらの測定結果によって、すこしでも安心できればいいと思っています。
福島第一原発事故の早期終息、事故にかかわる正確な情報の公表と迅速な対応が今後も求められています。
私たちも、注意深く見守っていこうと考えています。








○都内の環境放射線測定結果など
東京都健康安全研究センター
http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/

○東京都の農産物の放射線量測定値など
東京都防災ホームページ
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/
datasheet/d-shelter/taiheiyooki_h22.html

○水道水における放射能等測定結果
東京都水道局
http://www.waterworks.
metro.tokyo.jp/

○下水処理における放射能等測定結果
東京都下水道局
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/

○魚介類の放射性物質検査結果
水産庁
http://www.jfa.maff.go.jp/
魚介類についてのご質問と回答
http://www.jfa.maff.go.jp/j/
kakou/Q_A/index.html

※食品の暫定規制値について
飲料水(ペットボトル入りミネラルウオーターなどの製品)や食べ物に含まれる放射性物質については、原子力安全委員会が設定した指標を基に、厚生労働省において「暫定規制値」が定められ、これを上回る食品については、食用に供されることがないよう、食品衛生法において規制されています。
現在、一部の地域において検出されている放射性ヨウ素と放射性セシウムに関する「暫定規
制値」は、以下のとおりです。

対象:放射性ヨウ素
飲料水・牛乳・乳製品(注) 300Bq(ベクレル)/Kg
野菜類(根菜、芋類を除く)魚介類 2000Bq(ベクレル)/Kg
(注)100Bq/kg を超えるものは、乳児用調製粉乳及び直接飲用に供する乳に使用しないよう指導すること

対象:放射性セシウム
飲料水・牛乳・乳製品 200Bq(ベクレル)/Kg
野菜類・穀類・肉・卵・魚・その他 500Bq(ベクレル)/Kg

※ベクレルとシーベルトについて
ベクレル(Bq)とは、放射能の強さを計る単位であり、単位時間に原子核が崩壊する数を表したものです。1ベクレルは、1秒間に1個の原子核が崩壊して放射線を出す放射能の強さを言います。
一方、シーベルト(Sv)とは、人間が放射線を浴びたときの影響度を示す単位です。ベクレルからシーベルトには、以下の式で換算できます。
mSv(ミリシーベルト)=Bq(ベクレル)×実効線量係数
注:実効線量係数とは、放射能の単位であるベクレルから生体影響の単位であるミリシーベルト(シーベルトの1/1000)に換算する係数。核種(セシウム137 等)や摂取経路によりICRP(国際放射線防護委員会)等で示されており、セシウム137 の場合、1.3×10-5 とされています。
(食品安全委員会ホームページより)