板橋をもっと楽しく、もっと便利に! いたばしらいふ.com
いたばし検索 いたばしインフォ いたばしコミュニティ いたばしサークル・ボランティア いたばし求人

いたばしsearch
HOME >> バックナンバー >> [特集] 板橋ベジタブル 板橋産の野菜を食べてみよう!
板橋ベジタブル 板橋産の野菜を食べてみよう!

板橋区って緑が豊かだなあ。と思った事ってありません?
それもそのはず、板橋区は、まだまだ農業が息づいている区なんです。
今の都会での農業ってどういう状況なの?
様々なところに取材に出かけ、板橋の農業を追ってみました。

板橋って意外と農業の盛んなところなんです。

板橋区には約30ヘクタールの農地があり、板橋区の面積の約1%ほどになります。
農家の数は180ほどで、全て兼業農家だそうです。
農地は赤塚・徳丸・成増地区(区の西側)に集中しているので、板橋に農地が結構あるというのを知らなかった方も多いのではないでしょうか?

栽培が盛んなのは、ジャガイモ、大根、キャベツ、きゅうりなどなど。いろいろ採れるものなんですねぇ。意外なところでは、果物のカキや梨などを作っている農家もあるそうですよ。

こういった板橋産の野菜が買えるところが赤塚・徳丸・成増地区にあります。
特にお客さんでにぎわっている、二つの直売所に行ってきました。


高島平3−12−20
高島平駅西口徒歩5分
ファーマーズショップにりん草高島平の行列のできる農産物ショップ
「JA東京あおば高島平店」が運営するショップです。
板橋区・練馬区の農家の方が朝採れた野菜を出品し、販売しています。
とても人気があると聞いてたので、朝10時の開店前に余裕を持って行ったのですが、すでにすごい行列ができていました。
値段はキャベツ一つ100円とか、大根一本100円といった感じでリーズナブル。
さらに驚くべきことに、産地と生産者名が値札ごとに書いてあるので、安心して購入することができます。

店内は歩くのも大変なほど。
新鮮な野菜でぎっしり。
生産者が分かるんです。




四葉1−16
水車公園そば
1号農産物直売所 地元の朝の名物スポット

板橋ふれあい農園会が運営する直売所。小さなところではありますが、新鮮な野菜を提供しています。
ウィークデーの朝の9時から販売開始ということで、朝一番に行ってみたところ、もう人だかりができていました。
お客さんは近所の主婦の方が多いようです。
農家の方が並べたとたんに、野菜がはけていきます。
私も負けじときゅうりを買いました。


採れたての野菜。
見るからにおいしそう。
隣接する区民農園。
今はキュウリが旬だそう。
近くの水車公園には、
水田があります。


板橋で農業をがんばってる人を追ってみました。

ハーブ&おいしい野菜塾 三ツ口拓也さん
食と農をつなぐ。そういう塾にしたいという想いがあるんです。
2005年4月、農業を教えてくれる塾「ハーブ&おいしい野菜塾」が西台にオープンしました。自分の手で野菜を栽培し、食す。それを多くの人に実践して欲しいという思いからできた塾だそうです。
農業指導を実際にされている三ツ口さんにお話をお伺いしました。



---この西台の土地に、農業の塾を開設されたきっかけというのは?
都内でみると、板橋区ほど農地に恵まれた土地ってないんです。
今、「グリーンツーリズム」などがさけばれています。
農山漁村などに行き、農業体験を通して自然を学ぶ試みです。
さらに近年「食育」の重要性も叫ばれていますね。
「食」を通して、生命の尊さを伝えて行こうという試みです。
それと同じように、農育というものをここ板橋で立ち上げたいと考えたんです。
ここは都営三田線の西台駅から徒歩10分程度で、都内からのアクセスも非常にいいんです。
30分以内でここまで来られます。
身近なところで、グリーンツーリズムを体験していただきたいと。

農業には、様々な問題意識と危機感を持ってやらせていただいています。
これからの農業というものは、私どもの考えでは、二極分化していくと思います。
1つは、大規模な農業を手がけるやり方。
もう1つは、市民農園ですね。その市民農園が、これから重要になってくると思います。
ドイツでは市民農園が食料自給率の30%を支えているのです。
その中で、具体的にどんな事から始めればいいのかわからない。
もしくは都内や板橋区ですと、アパートやマンションで暮らしている方が非常に多いので、庭がなく、市民農園なんて考えられない。という方もいらっしゃると思うんです。

アパート・マンション暮らしの方も、気軽に朝食のサラダぐらいは作れるようなものを、教えて行きたいと思っています。
当塾では、「プランターコース」というものもあるんです。
それは、ベランダを農園にしちゃおうというものです。
もし、1つのアパート・マンションで皆さんがやりだしたら、それだけでもものすごい市民農園ですよね。
そういったものも広めて行きたいと思っています。

農業を実際に体験されていない方って、とても多いんです。
この野菜がどうやってできたのか。この食品がどうやって作られたのか。
例えば、葉物の野菜。
そういった野菜って、非常に農薬にまみれているのが現状です。
それを自分の手でつくれば、心配の必要がないんです。
食の安心、安全というものも満たされると思います。
この塾では、自分で作って自分で消費していくんですね。
自分のやった事が、作物となり、口に入っていきます。
これは食の安心・安全に繋がって行くんです。

この塾を経営している本社というのは、本業は健康食品の会社なんです。
健康食品という会社である事からも、社長も非常に食品への意識は高く、ぜひ、この機会に、こういう時代だからこそ、都内にこういう農園があって、そして、併設したレストランがあり、とれた物はレストランで食べる。
それは、まさに農育と食育を併せているものですよね。
食と農をつなぐ。そういう塾にしたいという思いがあるんです。
そういう思いがあり、板橋にこの塾ができました。

---取り扱われている農法に特色があるとお聞きしたのですが?
まず、取り扱っている農法というのは、1つではないんです。
1つの農法を全面的に良いとピックアップして、塾生の方に教えているわけではないんです。
その中でも、永田農法というのはとても特色のある農法ですね。
通常の農業の常識という面から言うと、非常にかけはなれているんです。
永田農法を取り入れて、実際に高品質な作物を生産されている農家の方もいらっしゃいます。
永田農法というものもある。
それは、1つの要素としてあると思っていただければと思います。

その他に、この塾には、「アグリクリエイト」さんもたずさわっています。
「アグリクリエイト」さんというのは、有機農法の分野で頑張っている会社で、非常に高品質な野菜などを、有機農法で取り扱われています。

永田農法というのは、有機農法ではありません。
永田照喜治先生は、液肥(液体肥料)のみを使って栽培します。
ですから、非常に対極にあるものなんですね。アグリクリエイトさんと永田農法というのは。

それを、この塾では両面から教えているんです。
塾長に、ハーブの専門家の外山たらさんという方をお迎えしています。
外山さんは、ハーブと野菜を組み合わせて栽培して、互いに良い効果をもたらす「コンパニオンプランツ」という手法を利用した病害虫対策なども研究されており、そういったノウハウも、この塾では取り入れて、無農薬栽培に挑戦しています。

---今、板橋区では学校やビルなどの壁に植物の壁を作ろうという活動が広まっています。
この取り組みを「緑のカーテン」と呼んでいるのですが、先ほどの、アパート・マンションで市民農園というのも、全家庭ですれば、「みどりのカーテン」ですよね?

まさにそうですね。
多少話が前後しますが、当塾では、永田農法もあれば有機農法もあるんです。
色んな選択肢を、塾生の方にはご用意しています。
まず授業では、基本となるベーシックな農業から入っていきます。
しかし、完全に無農薬です。
様々な特色ある農法も紹介しますが、基本に忠実な農業をやっています。

---ハーブ&おいしい野菜塾さんの、今後の活動というのは?
私どもの理念でもある、「食と農を結ぶ」という場として、この野菜塾の活動を続けて行きたいと思っています。
食育・農育ですね。
食と農って、一体なんですよね。
農で作ったものを、食す。それが還元されて土に戻る。
そういう循環を、皆さんに食と農でご理解いただければと思っております。

---板橋区民の方にメッセージをお願いします!
「ハーブ&おいしい野菜塾」という、こういった新しい試みを板橋で始めるという事にあたって、板橋区民の皆さんにはぜひ応援していただきたいです。
この塾も、地域の方とのつながりをもっと持って行きたいと思っております。
農園に併設されるレストランも、地域の方と、この塾を繋ぐ大切な交流の場ですね。
私どもの方も、外に出向いて、小学生の方や地域の方と農業活動をしたり・・・
この塾から、板橋に向けて発信できたらな。と思います。

---ありがとうございました!


東京家政大学 中村信也教授

農園と食というのを結びつけたいのです。それが狙いです。
加賀にある東京家政大学の中村信也教授の取り組みをご紹介します。
それは、「関東や板橋の固有種を復活させる」というものだそうです。
具体的にはどんな活動なのでしょうか?お話を伺いしました。


---家政大学さんの農園は、発足してどのくらいなのでしょう?

もう、2年ほどになります。

---農園を作るきっかけというのは?
きっかけは、大学の緑が減ったという事があり、大学の緑を保存したいという事からです。
「武蔵野の森の復活を目指して」というタイトルで研究を始めた時からです。
武蔵野と言うのは、武蔵野台地の事で、関東ローム層という火山灰からなっているのです。
そこに生まれた、関東の特有種を保存したいという気持ちから、大学にかけあい農園をもちました。
滝野川ごぼうは市販の種があり植えて育てていますけれど、他の特有種についてはなかなか見つからないのが現状です。
滝野川人参も五粒ほど手に入れて種が取れるほどになったのですが、芽が出てこず失敗に終わりました。
昔はこの大学にもあったという関東タンポポも秩父から苗をとってきて植えましたが、失敗に終わり再挑戦中です。
練馬大根も植えたいのですが、種が売っていませんよね。
その昔、板橋には、志村人参という固有種もあったのですよ。
今となっては幻の種で再現は難しいといえます。

---そう言ったコンセプトで、農園を運営されているのですねえ。
日本の農業と言うのは、ワンパターン農業なのですよね。例えば、山だったら杉と檜しか植えない。お米でもそうですよね。信じられない事ですが、沖縄から北海道まで、地域特性を無視して、コシヒカリを作っています。

---そう言われてみれば、そうですね。
最近は、「地産地消(ちさんちしょう)」や、「フードマイレージ」という言葉も取り上げられています。収穫物と消費者との距離を縮めようという動きです。日本は、輸入物が多いので、その距離が長いのです。そこで、私は板橋や北区の作物を見直して、古来種・従来種を大切にして行きたいのです。

---農園にはどのくらいの人が携わっているのでしょう?
大豆を植えてもいるのですが、大豆を広めようとしている団体「トージバ」の斉藤さんという方と、共同研究しています。
産学協働ですね。サーラ・ダ・テという飲食店の店長の小林さんも携わっています。
どうしても、大学では机上の学問になりがちなので実践してみる事が大切なのですね。

農園から作物がとれ、それを食べますよね。
食育というと、栄養バランスも大切ですが、食育とは環境教育でもあるという見方も大切なのだと思います。
植物と言うのは、ちゃんとかわいがると、それなりに反応してくれます。それを食べた人にもわかって欲しいですね。食べ物に感謝の心を持っていると、偏食にもあまりならないと思っています。まず、何より食べる事に感謝する事が大事ですよね。

---家政大学さんの農園は、これからどうのようになっていくのでしょうか?
農園と食というのを結びつけたいのです。それが狙いです。

「いただきます。ごちそうさま」という言葉は、日本独自のものですね。
いただきます。ごちそうさま。そうして食に対してけりをつけて、感謝をする。
これが大事なんじゃないかな?
それを実践する場を作って行きたいと思います。

---区民の方に一言おねがいします!
大学とタイアップして、斬新な農業をやりませんか?いつでも声をかけてください。

---ありがとうございました!




●ファーマーズショップにりん草
〒175-0082
板橋区高島平3-12-20
TEL:03-3975-2189
FAX:03-3975-2159

平成16年4月オープンした「JA東京あおば高島平店」が運営するショップです。
板橋区・練馬区の農家の方が毎朝8時から10時の間に出品し、販売しています。
とれたての旬の野菜や果物などが豊富に並べられ、開店前から行列が出来るほどの人気です。
午前中には売り切れてしまう日も多いとか。
値札に産地と生産者の名前が印刷されていて、生産者の写真は、レジ後ろの壁に貼られています。
●板橋ふれあい農園会

赤塚6-38-1
TEL:03-3988-5111
FAX:03-3975-1606
http://www.itabashi.or.jp/kigyo/fureai/

区民の食卓に新鮮で安全な農産物をお届けし、家族や近隣の人々とのふれあいの場を提供することを目的に、区内の農家によって運営されています。
さつまいも・果樹・園芸・野菜・さつき・スタンド・学校給食の7つの部会があり、それぞれの会員が、運営する観光農園や即売スタンドの運営、学校給食への野菜や果物の供給など行っています。
・加入農家 84戸
・農産物直売所(スタンド) 3ヶ所
※観光農園のさつまいもなどは、幼稚園・保育園等の団体予約で春先にはいっぱいになるそうです。

●ハーブ&おいしい野菜塾
西台2-12-12
TEL:03-3932-8117
FAX:03-3932-2230
http://www.yasai-jyuku.com


株式会社シェフコが2005年4月に西台にオープンした野菜塾。
現在日本では実践的な農業を学べる機会が非常に少ない状況の中で、農業に携わりたい若者たちに向けてできることはないか、農業を学べる環境を作れないだろうかという理念のもと開設されました。
「おいしい農園レストラン」も併設しています。

【おいしい農園レストラン】
TEL:03-3932-8124

ランチ 11:30〜15:00
ランチラストオーダー 14:00
ティータイム 14:00〜16:00
夜の部  18:00〜
※月曜の夜間はお休み
火曜定休
●東京家政大学
加賀1-18-1
TEL&FAX 03-3961-7946
http://www.tokyo-kasei.ac.jp/