○まず最初に、開店までの経緯をお聞かせください。
奥様:この店は、以前は喫茶店だったんですよね。
19年間喫茶店をやっていて、私は10数年間働いていたんです。
最初はアルバイトでしたが、数年前からお店を任されるようになったのですが、
オーナーが店を閉めると言われたもので、だったら貸してくださいということで、ここで店を開くことにしたんです。
○私も以前に2・3度、喫茶店の時に来たことがあります。なかなか落ち着いたいい雰囲気の店だなーと思った記憶があります。
奥様:オーナもこの店には愛着を感じていましたし、木のぬくもりや重厚さを感じさせる、梁やカウンターとかも、他の人に貸して取り壊されるのは忍びないので、そのまま使うのであればいいよと言って下さったので、借りることにしました。
○では、内装には手をつけていないということですか?
シェフ:そうですね。
外の看板と、キッチンを直したぐらいで、ほとんど手をつけていません。
私たちもこの店が気に入っていましたし、将来自分たちの店を持ちたいと思っていましたので、喜んで借りることにしました。
おかげさまで、改装費用もあまりかからなくて助かりました。(笑い)
捜してもなかなかいい物件がない中で、自分たちが気に入ったお店を持てるということは、これも何かの縁だと思って感謝しています。
○お店作りに関して何かこだわり等はありますか?
シェフ:とにかく、二人ともこの店の雰囲気が好きなんで、この落ち着いた雰囲気を壊さないようにしています。
○お店の名前「トラットリア セレーノ」ですが、どのような意味ですか?
奥様:イタリア語で、トラットリアは「食堂」、セレーノは「晴れ」という意味です。
お客様の明るい笑顔が、この店にあふれるようにと、願いを込めて名付けました。
○とてもいい名前ですね。 奥様はソムリエということですが、その辺の話を聞かせてください。
奥様:将来は自分たちのお店を持ちたいと考えていたんです。
イタリア料理にはワインがつきものですよね。
お客様に、料理に合ったワインを提供するには、それなりの勉強をして、ちゃんとしたサービスをしたいということで、だったらソムリエの資格を取っておこうかなと思い、2年ほど前に資格を取りました。
○料理やワインに対する想いやこだわりなどは・・・・・・。
シェフ:食材の持ち味にあわせて料理していくことと、イタリア料理の基本から外れないことですね。
ある程度はアレンジするけれど、イタリアの伝統料理を踏まえた上で、料理を組み立てています。
その日その日に仕入れた食材で料理を作るので、メニューは日替わりなんですよ。
定番のメニューが無いところがうちの特徴です。
奥様:ワインに対する思い入れは、自分たちが「こんなワイン飲みたい!」と思えるお店が身近に無かったんです。
ですので、自分たちのお店では、自分たちが飲みたいと思えるワインをBESTの状態で出したいと思っています。
これだけの種類のワインを置いている店はあまり無いと思うんです。
選んで置いていますので、仕入れに関しては苦労していますし、こだわっています。
シェフ:ワインを置いてあっても、料理がないとか、その反対に料理があってもワインがないとか、バランスよく両方ある店ってなかなかないんですよ。
イタリアといっても、北と南とでは違うし、料理によっても変わるので、お客様にはその料理に合ったワインを提供していきたいんです。
奥様:ワインの味も、同じワインでありながら、店の雰囲気で変わりますし、料理で変わってきますし、グラスの種類によっても変わるんです。
一番変わるのは一緒に飲む人によって変わるんです。(笑い)
お客様に喜んでいただけるように、毎日が勉強です。
○奥が深いですね。お客様どのような方が多いですか?
奥様:年齢的には、比較的高めの方が多いです。
若いカップルや仕事帰りの女性の方とかも結構いらっしゃいますよ。
値段的にもそんなに高くないと思うのですが、外からの雰囲気で高そうに見えるようです。
でも、決してそんなことはないんですよ。
シェフ:ご家族でのパーティーなどでも使っていただいていますが、
料理を一人でやっているので、10名様ぐらいで貸切になってしまうんです。
料理だけで3,500円からお出ししていますが、コースのメインまで出していますので、かなりお得だと思います。
量も多めにお出ししていますので、お客様には満足していただいています。
飲み物を入れても5〜6,000円ぐらいあれば充分ですよ。
○誕生日や記念日とか、お祝い事なんかで店を捜すとき、大変苦労するんですけど、このお店は雰囲気もいいですし、値段も手ごろですのでいいですね。
シェフ:料理にしても、よくあるイタリア料理みたいなものは殆どだしていないんです。
あえて外しているのもあるんです。
イタリアは、地方ごとにいろいろな料理が数えきれないほどあるので、それを少しずつ紹介していきたいと思っています。
そのへんにも、こだわりを持っています。
○お客様の反応などはいかがですか?
奥様:ワインのリストを見て、「こんなにも種類があるの!!」と、驚かれるお客様が多いですね。
ワインが苦手だとおっしゃっていたお客様にも、美味しいといっていただいたこともあります。
味もそうですが、料理も多めでお出ししているので、量的にも満足していただいています。
○これからの夢や目標などありましたらお聞かせください。
奥様:まだ、開店して半年ですので、喫茶店だと思っているお客様がいらっしゃるようで、間違えて入ってこられる方もいらっしゃいます。(笑い)
早く、イタリアンのお店だということを知っていただきたいと思っています。
シェフ:料理もまだ落ち着かないので、早く定着させることと、お客様一人一人に合わせて料理をしていきたいと思っています。
奥様:ワインもまだアイテムに偏りがあったりするので、その辺も充実させていきたいと思っています。
○最後に恒例の、区民の方に一言お願いします。
シェフ:池袋まで行っても、これだけのワインをそろえているお店はあまりないと思います。
料理のほうも、お手ごろな値段で提供していますので、大山で途中下車してみませんか。
○ありがとうございました。