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--- タコスのお店とは、珍しいですね。この場所に出店した経緯とは?
タコスに興味を持ったのはアメリカに短期留学したのがきっかけです。
学生の二十歳ぐらいの頃にアメリカ西海岸に短期留学して毎日ファースーストフードばかり食べていたんですね。
ハンバーガーを食べて、ホットドッグを食べて・・・タコスも食べて、という感じでした。
アメリカの西海岸では街角に、ホットドッグやタコスの看板が数多くあるんですよ。
日本に帰ってから、ああ、タコスが美味しかったよなあと思っても、気軽に食べられる所がないんですよ。
その後ずっと、いつかタコスが食べられるところがあるといいなあと考えていました。
しかし、たまに目立つ所が出来ても、すぐに消えて行ってしまうんですね。
あまりタコスは根付いていないものですから。
そして、この店の場所なのですが、父が43年間、紳士服屋をやっていた所なんです。
僕も婦人服のメーカーを辞め、12年間一緒にやっていました。
ですが時代とともに、どんどん服装が趣味の合うものではなくなってきたので、そのまま洋服屋をやるというのは、辛くなってきたんですね。
それで前々から飲食の方に興味があったので、段々と準備をして来たという感じです。
--- 出店を実際踏み出そうと思ったのは?
板橋区が10月に行う区民祭ってありますよね。
紳士服屋の時に区民祭で、たまたまブースを借りられたんです。
始めは、衣料品屋ですから靴下を売ったりしていたんですが、僕は飲食に興味があったものですから、どんどん考えが切り替わっていきました。
そこで、キャラメルポップコーンとタコスとホットドッグのお店をやってみたんです。
その時は手探りですよね。手探りですけれども、パイロット的にやってみたところ評判が良かったんですよ。
それから、勉強しながら4年間、毎年区民祭にブースを出品しました。
洋服屋さんを朝10時から夜9時までやり、その後、夜の10時から朝の4時ぐらいまで、モスバーガーにアルバイトに行くという生活でしたね。
僕が考えていた、注文を受けてから作り始める、そして商品は具だくさんのものという形態にモスバーガーが一番似ていたんです。
同じ板橋で、同じぐらいの駅からの距離で、同じぐらいの広さで。という自分のやりたいと思う店とイメージが重なる店舗を探しまして。
そのモスバーガーの社長に、実は自分で店をやりたいんだけれども、勉強させてください。
という事で、初めからお願いしてアルバイトに入ったんです。
2年で辞めるつもりが、4年間辞められなかったんですけれどね。
その間、もちろん食品衛生取扱責任者や、ペットについても、少しでも詳しくなって飼い主さんと話ができたらと思い、愛玩動物飼養管理士の資格を取ったり、 Wrap&Dog を登録したりと、そういう事を色々と踏まえて来て、いよいよ自分でやる事になったんです。
--- お店を開いてからのエピソードなどがありましたら。
紳士服屋をやっていた時に、「サンタフェ」というブランドがありました。
そのメーカーさんの営業の方が、アメリカとメキシコの境目にあるニューメキシコの「サンタフェ」写真集を見せてくれたんです。
それがすごくきれいだったんですよね。街も景色も建物も。
一冊6000円や7000円もするサンタフェの写真集を何冊も買って見ていくうちに、サンタフェがすごく気に入ってしまいました。
ですから、このお店の内装も、サンタフェをイメージしています。
例えば、丸太の梁とか、表のファサードを見た時に、外にどんどんと梁が突き出しているとか、壁が白いとか、表の壁はオレンジだったり、窓や入り口がブルーだと言う事は、全てサンタフェの写真集を参考にしたものです。
自分でもたくさんのスケッチを描きました。
図面も、厨房から何まで僕が描いたんです。現場監督も。(笑
テーマパークの中にあるレストランのような雰囲気になれるといいなとも思っています。
食べ物も非日常で、雰囲気も非日常で。そこに入って何かを感じてもらえたらいいなと。
--- タコスやホットドッグについてのこだわりを聞かせていただけますか?
タコスを車でやっている方がいたんです。
あ、タコスだ!と思って食べたのですが、小麦粉で作られているトルティーヤという皮の底の方に、具がしょこしょこっとしか入っていなかったんですよね。
具材が少なくて、さびしい思いをしました。
僕はもっと、具だくさんのものを食べた記憶があったんですよ。
もし、自分でやるなら、ボリュームがあるものがいいなと思いました。
ですから、少し大きめのトルティーヤ(皮)に具をたくさん入れて、四つ折にして、なおかつタレが垂れないように袋にいれて。
この辺は、全部ハンバーガー屋さんの感じですよね。持ち帰りもできて、歩きながらでも食べられるようにと考えてあります。
ホットドッグのこだわりとしては、ソーセージが太めなんです。
国産のソーセージを使うと、300円台のホットドッグって作れるんですが、展示会で今のソーセージに出会ってしまったんです。
値段がかさむから、どうしよう、どうしよう、と思ったんですけれど、どうせやるのなら、自分の気に入ったものをやらないと。と思って。
かぶりつくようなソーセージとその肉汁や味付けに負けない、少ししっかりとした生地のロールパンも探しましたね。
そのために、ホットドッグなのに、500円もしてしまうんですよ。
ところが、一度食べていただくと、わかっていただけますよ。
--- ペットも入れるお店にしたきっかけというのは?
それは何よりも、僕自身が犬が好きだからなんですよね。
実は、僕も犬を飼ってるんです。
体重17キロの熊みたいな犬なんですけど。(笑
本当は、一緒にお店を出来ればいいなと思ったのですが、看板犬を出来るタイプでもなかったのでメニューに載ってもらっています。
--- ラッパンドッグさんに来るお客さんとペットさんは、どのような方が多いのでしょうか?
初めは、地元の方が多かったんですね。
でも、インターネットにホームページを立ち上げたところ、離れた所からもページを見て来てくれる方もいらっしゃいます。
ラッキーな事に、愛犬チャンプやドッグファンという、いくつかの犬の雑誌に載せてもらう事が出来たので、それを見て来られる方も見えられますね。
最近、お客様同士のチャットの中でラッパンドッグの名を出して頂いてるみたいで、 以前より当たり易くなってます。有難いことです。
--- お客さんに言っていただいた、嬉しい言葉とはどのようなものでしょう?
やはり「おいしい」「犬と一緒に入れて嬉しい」。
それに尽きます。
--- 今後のラッパンドッグさんは、どのようになって行くのでしょう?
ここの店舗って、場所がとても狭いんですよね。
本当に欲しい場所というのは、公園の横とかなんですよ。
城北公園の横などにはよく通っていて、角のお家をカメラでバシッと撮っては、 「ラッパンドッグ城北公園店」とか書たりしてます。(笑
部屋に貼ってあるんですけれども。
犬が走り回れて、良く顔も出せるところで。
そういうのが夢ですね。
美味しいタコスとボリュームのあるホットドッグを気軽に食べられるお店。
なおかつ犬が入れるお店。
その始めのコンセプトは、これからも変わりませんね。
--- いたばし区民の方に一言お願いします。
板橋に父のお店をやっていた頃からずっといるわけですが、 板橋って、結構色々なイベントをやりますよね。
地元全体が盛り上がれば、板橋全体も盛り上がると思いますし、板橋って、範囲が広くて色々な情報や色々な地域があるので、 面白い協力の仕方もあると思うんです。
何か、イベントがあった時には、乗ってみるのも、参加してみるのも、
面白いですよ。
--- ありがとうございました!
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