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書を見て心を癒しませんか? 書道美術館
ときわ台の駅近くに、ひっそりと、「書道美術館」という美術館が
あるのをご存知でしょうか?
そこは、貴重な書が数多く展示されている、心落ち着く場所でした。
今回は書道美術館をご紹介いたします。

館内員の本田ちひろさんにお話をお伺いしました。

---この書道美術館は、区立なのでしょうか?
いえ、財団法人で運営しているんです。
もともと、日本教育書道連盟という団体が、昭和26年に出来まして、
現館長の小山天舟が土地を提供し、建物は、連盟の役員・会員の寄付によって
財団法人の日本書道美術館が出来たんです。
戦後、「書道」が日本の学校教育の中から外された時期があったんですね。
その復興のために、きちんとした指導者を国で養成したのですが、
そのメンバーが中核となって、日本教育書道連盟が出来たんです。
なおかつ、「書」の社会的位置づけを確保し、より一層の普及するをはかるには、
公共の書の発信地が必要であるという事で、この美術館が出来たんですね。
それまでは、専門の書道の美術館って無かったんです。
ここは、日本初の、書道専門の美術館でもあるんですよ。
役員や会員のご寄付で運営されているんです。

---その、日本初の美術館の場所を、なぜ、板橋の常盤台と言う地に選ばれたのでしょう?
場所選びに関しては、やはり色々と論議されたようです。
その結果、書道という落ち着いた文化に、閑静な住宅地の常盤台と言う地が、ふさわしいだろうという事で、いくつかの候補地の中から選ばれたんです。

---現在、企画展が行われているとお聞きしたのですが?
こちらで行っている「書道大学」という講座があるのですが、
その卒業修了制作の書の展覧会を行っております。
大学・大学院・専攻科各2年制になっており、
スタンダードな、書道教育が出来る方を育成するという講座なんです。

---書道美術館さんの、セールスポイントがありましたらお願いします。
全国で、少しずつ、書道を専門にした美術館が出来始めておりますが、
本当に数館しかないんですね。
そういった面では、書道がお好きな方には、たまらないものが多く陳列されておりますよ。

---書道美術館のユーザー層についてお聞きしたいのですが?
一番多いのは、書の専門家ではなく、社会一般の方々です。次いで、
書道の先生をされていたり、退職されて将来書家を志す方などが、多く来られますね。
書道を学ばれている学生さんも来られますよ。
全体的な年齢層は、一般の美術館よりは、高めですね。

---書道美術館の所蔵品で、有名なものがありましたら、教えて下さい。
古い物では、平安時代末期の藤原定信の書「戌辰切」や、
江戸時代の「寛永の三筆」と呼ばれる、本阿弥光悦・松花堂昭乗・近衛信尹の書などがあります。
また、近現代の書を力を入れて集めておりますから、
現在、書の大家と呼ばれている方の作品は、ほとんど所蔵しております。

---書道美術館の目玉作品などはありますか?
江戸時代の有名なお坊様の、良寛さまの書もありますよ。
これは、当館の所蔵作品の中でも、目玉と言えるのではないでしょうか?

---今後企画している催しものなどがありましたら、教えて下さい。
10月から、「芭蕉名句選」という、松尾芭蕉の名句を現代の著名な約60人の書家がお書きになったものの展覧会を開きます。
それぞれ詩情豊かな作品で、充分楽しめますので、是非お越し下さいね。

---書道美術館様から、板橋区民にメッセージをお願いします。
書道と言うと、やっていらっしゃらない方は、とっつきにくいイメージを持たれるかもしれませんが、伝統芸術に触れるチャンスですので、散歩がてらに、気軽においでいただければと思います!

---ありがとうございます!

館内を案内していただきました。

エントランスにある、この書は、
書道美術館の館是であるそうで、初代書道美術館長が、書かれたそうです。
「和を以って、貴しと成す」。う〜ん、名文句ですね〜。

エレベーターで4階まであがり、
それから始まります。

陳列ケースの中に、整然と並ぶ、様々な書達。素人目には、上手いのかも良く分かりません...。 そこで、本田さんに、書道を観るコツを教えていただきました。
「絵を観る様に、感覚でとらえていいんですよ〜。」 とのこと。
楷書を基本として、実に120点。
本田さんに案内されて、奥まったスペースに行くと、草書体の作品がずらり!
美智子皇后様に書を教えられた、藤岡保子さんの作品だそうです。
皇室の方も、年に数回、みえられるとの事。 なにげなく、すごいところに来てしまったようですね。
本田さんに、展示作品の中で目玉は何ですか?と、聴くと、 おもむろに、指をさされた作品これ。
なんと!歴史の教科書で有名な与謝野晶子の書との事!
屏風一面に、様々な和歌が、書き散らされています。
アツイ!とても情熱的です!
一見の価値ありですね!
なにやら、せんすに文字が書かれた作品が登場しました。
一見、崩れた感じもしますね。
本田さんいわく、
「ただ、書き崩しているのではなくて、
上手い人は、言葉の意味に沿って、書き崩しているんですよ。
上手いかどうかは、基本的な筆の使い方で、分かるんですよ。」
との事でした。
使い切って寿命が来た筆を、毎年11月にこの筆塚に奉納するそうです。
(木の下の石の部分)
書家の筆への愛情を感じますね!!


以上、館内員の本田さんの案内による、書道美術館めぐりでした。
いかがでしたでしょうか?
書道から離れている方も、ここに一度来れば、「書」の良さを再発見するはず。
それほど込み合いもしませんので、ゆったりと代表的な日本文化に触れてみませんか?



●書道美術館
書道美術館

昭和48年に開館した書道美術館。古筆、近代書道の名家、現代書道家の作品など約5000点を収蔵。書道作品のみでなく、人形、漆芸、陶芸、絵画とともに、日本の伝統芸術として紹介する展覧会を開催するなど、独自の企画を展開している。
また書家や画家、文学者らの公開審査による日本書道美術館展や、さまざまな講座を開催し書道の振興のため活動している。

【住所】
東京都板橋区常盤台1−3−1

【アクセス】
東武東上線ときわ台駅から徒歩1分
※駐車場はありません。



【開館時間】
10:30〜16:30
※入館16:00迄

【入館料】
一般1,000円、
高・大生700円、
小・中生500円 
※団体割引有り

【休館日】
月・火曜日、展示替期間、年末年始