---この西台の土地に、農業の塾を開設されたきっかけというのは?
都内でみると、板橋区ほど農地に恵まれた土地ってないんです。
今、「グリーンツーリズム」などがさけばれています。
農山漁村などに行き、農業体験を通して自然を学ぶ試みです。
さらに近年「食育」の重要性も叫ばれていますね。
「食」を通して、生命の尊さを伝えて行こうという試みです。
それと同じように、農育というものをここ板橋で立ち上げたいと考えたんです。
ここは都営三田線の西台駅から徒歩10分程度で、都内からのアクセスも非常にいいんです。
30分以内でここまで来られます。
身近なところで、グリーンツーリズムを体験していただきたいと。
農業には、様々な問題意識と危機感を持ってやらせていただいています。
これからの農業というものは、私どもの考えでは、二極分化していくと思います。
1つは、大規模な農業を手がけるやり方。
もう1つは、市民農園ですね。その市民農園が、これから重要になってくると思います。
ドイツでは市民農園が食料自給率の30%を支えているのです。
その中で、具体的にどんな事から始めればいいのかわからない。
もしくは都内や板橋区ですと、アパートやマンションで暮らしている方が非常に多いので、庭がなく、市民農園なんて考えられない。という方もいらっしゃると思うんです。
アパート・マンション暮らしの方も、気軽に朝食のサラダぐらいは作れるようなものを、教えて行きたいと思っています。
当塾では、「プランターコース」というものもあるんです。
それは、ベランダを農園にしちゃおうというものです。
もし、1つのアパート・マンションで皆さんがやりだしたら、それだけでもものすごい市民農園ですよね。
そういったものも広めて行きたいと思っています。
農業を実際に体験されていない方って、とても多いんです。
この野菜がどうやってできたのか。この食品がどうやって作られたのか。
例えば、葉物の野菜。
そういった野菜って、非常に農薬にまみれているのが現状です。
それを自分の手でつくれば、心配の必要がないんです。
食の安心、安全というものも満たされると思います。
この塾では、自分で作って自分で消費していくんですね。
自分のやった事が、作物となり、口に入っていきます。
これは食の安心・安全に繋がって行くんです。
この塾を経営している本社というのは、本業は健康食品の会社なんです。
健康食品という会社である事からも、社長も非常に食品への意識は高く、ぜひ、この機会に、こういう時代だからこそ、都内にこういう農園があって、そして、併設したレストランがあり、とれた物はレストランで食べる。
それは、まさに農育と食育を併せているものですよね。
食と農をつなぐ。そういう塾にしたいという思いがあるんです。
そういう思いがあり、板橋にこの塾ができました。
---取り扱われている農法に特色があるとお聞きしたのですが?
まず、取り扱っている農法というのは、1つではないんです。
1つの農法を全面的に良いとピックアップして、塾生の方に教えているわけではないんです。
その中でも、永田農法というのはとても特色のある農法ですね。
通常の農業の常識という面から言うと、非常にかけはなれているんです。
永田農法を取り入れて、実際に高品質な作物を生産されている農家の方もいらっしゃいます。
永田農法というものもある。
それは、1つの要素としてあると思っていただければと思います。
その他に、この塾には、「アグリクリエイト」さんもたずさわっています。
「アグリクリエイト」さんというのは、有機農法の分野で頑張っている会社で、非常に高品質な野菜などを、有機農法で取り扱われています。
永田農法というのは、有機農法ではありません。
永田照喜治先生は、液肥(液体肥料)のみを使って栽培します。
ですから、非常に対極にあるものなんですね。アグリクリエイトさんと永田農法というのは。
それを、この塾では両面から教えているんです。
塾長に、ハーブの専門家の外山たらさんという方をお迎えしています。
外山さんは、ハーブと野菜を組み合わせて栽培して、互いに良い効果をもたらす「コンパニオンプランツ」という手法を利用した病害虫対策なども研究されており、そういったノウハウも、この塾では取り入れて、無農薬栽培に挑戦しています。
---今、板橋区では学校やビルなどの壁に植物の壁を作ろうという活動が広まっています。
この取り組みを「緑のカーテン」と呼んでいるのですが、先ほどの、アパート・マンションで市民農園というのも、全家庭ですれば、「みどりのカーテン」ですよね?
まさにそうですね。
多少話が前後しますが、当塾では、永田農法もあれば有機農法もあるんです。
色んな選択肢を、塾生の方にはご用意しています。
まず授業では、基本となるベーシックな農業から入っていきます。
しかし、完全に無農薬です。
様々な特色ある農法も紹介しますが、基本に忠実な農業をやっています。
---ハーブ&おいしい野菜塾さんの、今後の活動というのは?
私どもの理念でもある、「食と農を結ぶ」という場として、この野菜塾の活動を続けて行きたいと思っています。
食育・農育ですね。
食と農って、一体なんですよね。
農で作ったものを、食す。それが還元されて土に戻る。
そういう循環を、皆さんに食と農でご理解いただければと思っております。
---板橋区民の方にメッセージをお願いします!
「ハーブ&おいしい野菜塾」という、こういった新しい試みを板橋で始めるという事にあたって、板橋区民の皆さんにはぜひ応援していただきたいです。
この塾も、地域の方とのつながりをもっと持って行きたいと思っております。
農園に併設されるレストランも、地域の方と、この塾を繋ぐ大切な交流の場ですね。
私どもの方も、外に出向いて、小学生の方や地域の方と農業活動をしたり・・・
この塾から、板橋に向けて発信できたらな。と思います。
---ありがとうございました!
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